東北 招き猫投法の渡辺法聖に悔いなし、旧友・公家の一発が「一番の衝撃」

初戦敗退し肩を落とす東北ナイン=甲子園(撮影・堀内翔)
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 「全国高校野球・1回戦、横浜7-1東北」(9日、甲子園球場)

 7年ぶり22度目出場の東北は横浜のプロ注目右腕・藤平尚真(3年)に13三振を喫するなど、1得点のみ。1-7の九回、1死満塁と意地を見せたが、最後は1番・杉沢龍内野手(1年)が投ゴロ併殺に打ち取られ、初戦で散った。

 エース左腕・渡辺法聖投手(3年)は8回142球を投げ14安打7失点。「すがすがしい。悔いはない」と、涙なく完全燃焼した。

 テークバックのない独特の投球フォームは「招き猫投法」と呼ばれ話題になった。高校入学までは本格派のフォームだったが、ストライクが入らなくなり試行錯誤。「腕の回転の仕方が分からなくなった」ことにより今年1月、たどり着いた。

 「正直、あきらめた時もあったけど、どうにかこのフォームで最高の舞台に来られた。このフォームでやってきて良かった」と悩んだ日々を振り返った。

 横浜の主将・公家響内野手(3年)は小学生時代、楽天ジュニアのチームメート。当時、体の大きかった公家を「パパ」と呼び、渡辺は慕っていた。

 中学は別のチームだったため今大会で再会。開会式では「当てるなよ」と言われ「当てる」と返すなど、対戦を楽しみにしていた。

 1-0の三回2死一三塁では、その旧友に手痛い一発を浴びた。初球ストライクを取りにいった134キロストレートを左翼席に運ばれる3ラン。試合の流れを決定付けられた。

 「1打席目に三振を取ったので、心に余裕があって、甘くなったのが失敗だった。外角に踏み込んできた。失敗だった。今までで一番の衝撃。でもあいつに打たれたのなら悔いはない。対戦できたのがうれしい」と、笑顔を浮かべた。

 宮城県大会で打率・571と暴れた打棒は4打席無安打に封じられた。「ここまでのレベルは初めて」と藤平に脱帽した。

 「次のステージを目指したい」。仰天の変則フォームでインパクトを残し、渡辺が聖地を去った。

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