鳴門・河野148球完投 “三度目の正直”で甲子園初勝利

 「全国高校野球・1回戦、鳴門3-2佐久長聖」(7日、甲子園球場)

 5年連続出場の鳴門(徳島)が開幕試合で佐久長聖(長野)を下し、3年ぶりの初戦突破を果たした。MAX145キロのエース左腕・河野竜生投手(3年)が9安打2失点で完投。甲子園では1年夏から3年連続3度目の先発で、大量失点した過去2年の悔しさをバネに、148球の熱投で念願の白星を手にした。

 やっとの思いでつかんだ聖地での1勝。最後の打者を空振り三振に打ち取った鳴門のエース・河野は、喜びをかみしめるように両腕を突き上げた。「どうしても1勝したかった。2年間苦しい思いをしてきたので、うれしいです」。お立ち台の上で声が弾んだ。

 1年夏から聖地マウンドに上がった左腕。これが甲子園で3年連続の先発だった。最初の夏は近江を相手に4回8安打5失点。昨夏は九州国際大付に11安打7失点で六回途中降板を喫した。「力んで甘く入った球を打たれた。抑えようという気持ちが強すぎたんだと思う」。過去2年の悔しいマウンドを、河野はそう振り返る。

 どうすれば甲子園で勝てるのか。自問自答しながら厳しいトレーニングを自らに課してきた。冬場は学校近くの山道や砂浜を徹底的に走り込んだ。暑さ対策とスタミナ強化のため、夏の県大会前まで冬用ジャンパーを着込んで練習した。地道な努力が実を結んだ9安打2失点、148球の熱投。終盤に1点差に迫られても集中力を切らさず、甲子園で初めて9回を投げ抜いた。

 甲子園入り前には3歳上の兄・祐斗(明大野球部3年)からLINEで「最後だから楽しんで投げろ」と激励を受けた。兄は鳴門OBで3年前の主将。甲子園に4度出場し、13年夏の8強など計6勝を経験した。

 「兄のベスト8を超えたい。この1勝は自信になります」と河野。2回戦の相手はセンバツ優勝の智弁学園に決まった。苦しみ抜いた末に“三度目の正直”を果たした左腕。強敵を相手に真っ向勝負を挑む。

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