八王子学園八王子「負けたくない」で清宮勝負 四球にヤジも…選手結束

試合後のあいさつで言葉を交わす八王子・米原と早実・清宮(右)=神宮球場
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 「高校野球西東京大会・準々決勝、八王子学園八王子6-4早実」(23日、神宮球場)

 八王子学園八王子が昨年夏の西東京大会準々決勝で5-11で敗れた早実に雪辱を果たし、準決勝に進んだ。注目のスラッガー、清宮幸太郎内野手(2年)に対しては、第1、第3打席で勝負を避け四球で歩かせたが、本塁打が出れば同点の九回1死一、三塁の第5打席では勝負に出た。

 6-3で迎えた九回は無死一、二塁となったところで米原大地投手(2年)が2番手で登板した。2番・橘内を遊ゴロに打ち取り1死一、三塁で清宮の打席を迎えた。

 内野手がマウンドに集まり言葉を交わす。ベンチの安藤監督からは「勝負するかお前たちで決めろ」という伝令も出た。勝負か、歩かせるか。「あの場面は同じ学年で負けたくない気持ちがあった。あそこで逃げたら後の選手(野村)にも気持ちで逃げてしまう」。そう振り返った米原をはじめ、選手たちの腹は勝負で固まった。

 捕手の細野悠(3年)は、先発した早乙女が敬遠気味に四球を出した際にスタンドからヤジが飛ばされていると感じていたという。「(四球で)ヤジが来るのは分かっていたけど、結構怖かったです」と語りながらも、「それであの場面もみんなで勝負をしようと話していました」。野球選手としてハートは燃え上がっていた。

 初球、インコースのストレートをはじき返した清宮の打球はライト方向へ高く舞い上がった。「すごい焦りました」(米原)、「行っちゃったと思いました」(安藤監督)と選手、監督全員が肝を冷やした。しかし、ボールはスタンドには届かず。犠飛による1点で切り抜けた。“精神力で上回った”というひと言で勝敗を片付けるのは乱暴だが、清宮への1球にナインの思いが込められていたのは確かだった。

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