プロ野球各球団から戦力外になった選手らを対象とする１２球団合同トライアウトが１０日、静岡・草薙球場で行われ、４７選手（投手３４、野手１３）が参加した。テストはシート打撃形式で実施され、１４年に阪神から戦力外となり今季はＢＣリーグ・石川で活躍した西村憲投手（２８）が打者３人を無安打２三振に抑える好投を見せてアピールした。

　最高球速は１３４キロ。それでも、打者３人を一飛、三振、三振で斬った西村は「僕の持っている直球は投げられた。（阪神に）申し訳ないという気持ちもありますし、やってやるぞという気持ちと、２つの気持ちを持って投げました」と満足そうな表情を浮かべた。

　阪神では１０年に７勝を挙げたが、その後右肘の手術を受けるなどで出番が激減。１４年に戦力外となり、今季はＢＣリーグ・石川でプレーした。裏方の仕事もこなす環境にも「野球ができることがうれしかった」という。

　「今年は春先から元気だった」と、肘の不安はなく、２勝１１セーブ、防御率０・００の好成績を残した。そしてＮＰＢ再挑戦を目指す場でも好投。もし阪神から声がかかれば、との問いには「もちろん、ありがとうございます」と笑みを浮かべた。