「パＣＳファーストＳ・第３戦、日本ハム１－２ロッテ」（１２日、札幌ドーム）

　あと一本が出なかった。日本ハムはロッテの倍の１０安打を放ちながら１０残塁の拙攻。１点差の惜敗。栗山監督をはじめ、大谷ら日本ハムナインは悔しそうに歓喜の輪を見つめた。「こんなところで終わって面白くない。例年以上に悔いが残る」。指揮官は目を真っ赤にしながらファーストＳ敗退の現実を受けとめた。

　最善の勝負手は打った。１点を追う八回１死一、三塁で打席には代打大谷。球場のボルテージは最高潮に達した。だが、内の低めの変化球に空振り三振。五回から素振りルームで準備をしていた二刀流だが、結果を残せず「今年は低めの見送りができていない。最終戦でもそこが出た。悔しいです」と唇をかみ締めた。

　ただ、大谷の打席以上に指揮官が最も嘆いたのは三回の攻撃だ。無死満塁の絶好機で、近藤、レアード、そして前夜のヒーロー矢野が凡退して無得点。「何とかしようと思えば思うほどはまる。全て俺の責任」と重圧に屈した選手をかばった。

　ファイナルＳに進出した場合、初戦に斎藤佑、２戦目に大谷を中４日で先発させるプランを練っていたが、実現されることはなかった。「成長した１年だったが、課題もある。（秋は）しっかりやりたい」と栗山監督。この屈辱を糧に、来季こそ頂点に立ってみせる。