ロッテの大谷 逃げ切り失敗…逆王手許す

 「パCSファーストS第2戦、日本ハム4-2ロッテ」(11日、札幌ドーム)

 これが短期決戦の怖さなのか。ファイナルS進出まで、あと2イニング。必勝継投でこぎ着けた八回、盤石のリリーフエース・大谷がつかまった。ロッテがまさかの逃げ切り失敗。日本ハムに痛恨の逆王手を許した。

 抜群の安定感を誇る右腕が、珍しく制球に苦しんだ。先頭の田中に四球。らしくない投球に不穏な空気が漂った。1死後、近藤の安打に失策が絡んで一、三塁とされると、続くレアードには高めの直球を中堅フェンスまで運ばれた。「コースだけは間違えないように全力で投げたつもりだったが、結果、一番得意なところ、伸びるところに行ってしまった」。取り返しがつかない失投に、大谷はうつむいた。

 最も信頼してきた八回の男がつかまり、スルリと逃げたファイナルSへの切符。伊東監督は「そう簡単には行かないと思っていたが…」と口を真一文字に結ぶしかなかった。だが、今季レギュラーシーズンで56試合に登板し、32ホールドを挙げた右腕を責めることはできない。落合投手コーチは「大谷の代わりはいない」と断言し、第3戦も継投の必勝パターンは変えない方針だ。

 敗戦を引きずっている暇はない。「ここへ来てショックは大きいが、逆に開き直ってできる。今日のことをどうこう振り返っても仕方がない。明日全員でやるしかない」と指揮官。第3戦。エース涌井が雌雄を決するマウンドに上がる。

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