中日・若松8勝 虎戦9連敗の危機救った

 「中日5-0阪神」(6日、ナゴド)

 暦は9月に移っても、中日・若松の季節は終わらない。「立ち上がりは悪かったけど、途中から修正できて良かったです」。7回を4安打無失点。8月の月間MVPに輝いた右腕は、お立ち台で柔らかな笑みをたたえた。

 一回1死満塁のピンチをしのぐと、チェンジアップを要所で使って二回以降は危なげなし。これで対阪神は13回連続無失点。負ければ76年ぶりの阪神戦9連敗という危機からチームを救った。

 負けられない理由があった。無名だった自らをプロに導いてくれた担当スカウトの故渡辺麿史さんの妻・恭子さん(59)と次女・葵さん(27)が初めてナゴヤドームで観戦。前夜に連絡をもらい「特別な気持ちで投げました」と振り返った。

 これで8勝目。視界に2桁勝利を捉えた。「目指せる場所まできている」。背番号61は、最下位の竜に差す一筋の希望だ。

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