脱走が原点“滝川二の韋駄天”夏終わる

 「全国高校野球・2回戦、仙台育英7-1滝川二」(14日、甲子園)

 一回裏、滝川二(兵庫)の一塁走者の根来祥汰外野手(3年)はスタートを切ったが、二塁で憤死。50メートル5秒9のスピードスターは大舞台で盗塁0に終わり、「全国レベルの捕手から決めたかった」と唇をかんだ。

 根来が初めて足で幻惑した相手は母・裕子さん。毎朝、裕子さんが保育園に連れて行こうとすると姿がなく、「気がつくとセミを捕りに行ったり、すぐにいなくなるんです」。本能の赴くままに走り出す韋駄天(いだてん)は“脱走”を繰り返し、母を困らせた。

 学校の運動会でも負けたことはなく、短距離リレーで全国制覇の経験を持つ滝川二の陸上部員との競争にも勝利。クラスでは常にしゃべっているムードメーカーで「甲子園に絶対行くからお前ら見に来いよ」というビッグマウスも実現させた。

 兵庫大会では1番打者として打率・500、8盗塁と大車輪の活躍。3年ぶりの聖地に導いた俊足に、プロのスカウトも「スピードは高校生トップ」と舌を巻いた。甲子園大会1回戦でも5打席すべてで出塁し、存在感を示した。

 卒業後は社会人でプレーすることを希望している。目標の選手は梶谷(DeNA)で、「もっと成長して将来はプロに行けるようになりたい」。いつかはその足で、多くの野球ファンの心をかっさらう。

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