松山聖陵アドゥワ初聖地導く

 松山聖陵(愛媛)に身長194センチの超大型2年生右腕がいる。ナイジェリア人の父を持つアドゥワ誠投手だ。荷川取(にかどり)秀明監督(33)が「将来はプロに行ける」と期待する逸材で、この夏は抑え投手としてマウンドに上がる予定。長身から投げ下ろす威力十分の直球を武器に、目指すは同校初の甲子園出場だ。

 異次元の角度だ。194センチの長身から投げ下ろされる球に、打者は困惑の表情を浮かべる。松山聖陵の2年生右腕・アドゥワは「球の角度、変化球の落差が自分の武器」と胸を張った。

 直球の最速は136キロだが、数字以上に威力を感じさせる。自慢のカーブは“2階から落ちてくるような”という表現がぴったりだ。まだ体の線は細いが「すごい伸びしろがある。将来はプロに行ける素材」と荷川取監督の期待は大きい。

 ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、熊本で育った。母・純子さん(旧姓・酒本)は身長180センチで、実業団の名門・ダイエーでプレーした元バレーボール選手。2歳上の兄・大(東農大北海道1年)は昨夏、九州国際大付の控え投手として聖地の土を踏んでいる。

 両親から抜群の身体能力を受け継いだアドゥワは、甲子園出場を夢見て松山の高校を選んだ。1年時からマウンドに上がるが、今年2月に腰を痛めて春の大会はベンチに入れなかった。この夏が“本格デビュー”となる。

 兄からは「甲子園は雰囲気が全然違うぞ」と聞かされた。夢の舞台を思い描き「自分も甲子園に行って、あのマウンドから投げたい」と急ピッチで体を仕上げている。

 チームのエースは安定感のある日野凌太投手(3年)。アドゥワは球威を生かして終盤の抑えを任される予定だ。「順調にいけば、夏は140キロは出ると思う」と荷川取監督。愛媛大会開幕まであと1カ月。16歳の大器は「ピンチの場面で投げることが多いと思う。ストレート勝負で抑えたい」と闘志をみなぎらせた。

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