藤浪、省エネ「黒田流」で欧州斬り
「侍ジャパン強化試合、日本-欧州」(10日、東京ド)
侍ジャパンは9日、QVCマリンの室内練習場で10日、11日に東京ドームで開催される欧州代表戦に向けて練習を行った。阪神から唯一選出された藤浪晋太郎投手(20)は10日の第1戦に登板予定。8日に復帰後初の対外試合登板した広島・黒田が少ない球数で打者を打ち取る姿に感銘を受けた右腕は、その投球を参考に省エネ投球で欧州代表に挑むことをテーマに掲げた。
「黒田の39球」を見た藤浪が新境地を切り開く。10日は3番手で六回から2イニングを投げる予定。前回登板から中3日。コンディションは万全とは言えないが、侍ジャパンのマウンドへ、明確なテーマを口にした。
「日本人のチームとの対戦ではないので、バッターを打ち取ることに集中したい。できるだけ少ない球数で、省エネで簡単に打ち取っていけるようにしたいと思います」
理想は広島・黒田が8日の日本復帰登板で見せた投球だ。4回1/3を投げて、打者13人をパーフェクト、球数はわずか39球。さらに、ボール球は9球だけ、打者11人に初球ストライクを奪った。テレビ観戦した藤浪も「技、投球術、技術の高さを感じました」と衝撃を受けたという。
昨年までの藤浪はどちらかというと球数が多い方だった。今年は無駄な四球、球を減らすことが1つの課題。「あれだけ淡々と打ち取れることは、楽なことではないと思いますし、自分がそういうタイプではない」と自覚しながら、「打者をしっかり打ち取っていきたい」と少ない球数で打者6人、6つのアウトを重ねるつもりだ。
この日は雨のため、QVCマリンの室内練習場で調整した。キャッチボールの相手は広島・前田との合同自主トレで一緒に汗を流した大瀬良。「そんなに深い話はしていない」と振り返ったが、背番号17のユニホームに袖を通すと、自然と気分も高まる。若きエースとして代表の自覚をにじませた。
「せっかく呼んでいただいて、一流の方の中で野球ができるのはうれしいこと。行って良かったと言えるようにしたいです」
前回6日・西武戦は自己最速157キロ3連発で、度肝を抜いた。今回は派手さはないが新たな投球スタイルを確立する。