燕ドラ2風張、サケ運んだ力で即戦力だ
北の大地で培ったパワーで最下位から引き上げる。ヤクルトからドラフト2位で指名された風張蓮投手(21)=東農大北海道オホーツク=が3日、都内の東農大世田谷キャンパスで指名あいさつを受けた。背番号は32を提示された。
大学がある網走から上京した期待の即戦力は、「1年目から活躍してチームの一員になること」と抱負を語った。鳥原チーフスカウトは「先発、中継ぎ、抑え、何でもできる。かなりやってくれると思う。来年は最下位がなくなると思うぐらい」と期待している。
最速152キロ、遠投120メートルのパワーを持つ右腕を極寒の地がたくましくした。毎年チームが沖縄で行うキャンプの費用を、夏は大根掘り、冬は1箱20キロもあるサケ、ホタテの積み卸しのアルバイトで稼いできた。「結構つらい」という重労働だが、「腕っぷしは鍛えられた」と筋力はアップ。野球部の樋越監督も「寒い中でやるので忍耐力、粘り強さを持てる」と、精神的な効果を口にする。
当面の目標はヤクルトの本拠地、神宮で14日に開幕する明治神宮大会での優勝。「(オリックス1位の)山崎(明大)と投げ合いたい」と闘志を燃やす北の男が、ヤクルトに春を呼ぶ。