「日本ハム１-０楽天」（５日、札幌ド）

　指揮官に、可能性を見せつけた。楽天先発のドラフト１位・松井裕が８回１失点でプロ初完投。「最後なので、監督にいいところを見せたい」と話していた試合前。敗戦投手となってしまったが、最少失点で最後まで投げきった。四回１死から陽岱鋼、中田を連続三振に仕留めるなど五回まで無失点投球。六回２死三塁から、陽岱鋼に痛恨の右前適時打を食らったものの、その後、崩れることはなかった。

　先発ローテ入りして迎えた開幕。２軍落ち、中継ぎとさまざまな経験を経て、最後は先発として戻ってきた。「怒られてばっかりだった」と、厳しく言われ続けた星野監督は今年で去る。「まだまだだけどな。いい経験だよ」と闘将。最後は少しだけ褒め言葉。楽天の将来を背負う男の２０１４シーズンは、好投で締めくくられた。