巨人・内海、10戦目でやっと今季初白星

 「交流戦、巨人6‐0楽天」(29日、東京ド)

 苦しんだ末の今季初白星の味は格別だった。チームが勝った瞬間、巨人・内海は穏やかな表情を浮かべ、余韻に浸った。お立ち台で「遅くなってすみません」とファンに謝った。

 持ち味の投球にこだわった。「粘りが僕の真骨頂」。走者を出しても粘り、要所を締めた。六回途中で左太ももがつりそうになりベンチに下がったが、意地で再びマウンドに立った。

 7回4安打無失点。10試合目の登板でやっと今季初勝利をつかみ取った。今季、勝てない間は「正直、本当にしんどかったです」。だが調整法は変えなかった。かつて勝てない時に調整法を変えて大失敗した経験があったから。百戦錬磨の左腕は自分を信じ、信念を貫き通した。

 前回登板の23日・ロッテ戦は打線の援護に恵まれず、開幕から5連敗となった。翌24日、原監督から「いつもいつも、打てなくて悪い。頑張ってくれ」と激励され、気持ちを切り替えることができた。指揮官は「私も含めて胸のつかえ(が取れた)というか、チーム全体でも良かった」と目を細めた。

 「一番苦しんだ1勝。勝つのがこんなに大変だとあらためて感じた」と内海。貴重な体験を糧に左腕エースは今後、白星を積み重ねるつもりだ。

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