ロッテ“下克上”再現へ井口弾で圧勝

 「モブキャスト CS第1S第1戦 パ、西武1‐11ロッテ」(12日、西武ド)

 パ・リーグは西武ドームで3位のロッテが井口資仁内野手(38)の先制本塁打など3本塁打を含む16安打で2位西武に大勝した。13日の第2戦に勝てばファイナルステージ進出が決まる。第2戦の先発は西武が岡本洋、ロッテが松永と発表された。

 大きな舞台で頼りになるベテランだ。2010年、下克上日本一を体験しているロッテ・井口が先制弾を含む2安打3打点。CSファーストS突破へ王手をかけた。「10年を思い出しましたよ。いい仕事ができた。チームが団結しての勝利。勝てたのはとても大きいね」。お立ち台で声を弾ませた。

 チームを勢いづける一撃は初回2死。カウント2‐2からの5球目。岸の高めの直球を振り抜いた打球は、高い軌道を描きながら左翼ポール際へ飛び込んだ。都内から観戦に訪れた両親を喜ばせる一発。さらに三回にも左犠飛。今季3勝9敗と負け越している敵地でチームを勇気づけた。

 8日のシーズン最終戦、この場所で大敗し3位に転落した。苦手西武ドームでの開催に勝ち上がる条件が厳しくなったと指摘する声もあった。だが、井口の考えは違った。「最終戦が終わった段階でうちが優位に立ったと思った。3位から勝てば勢いがでる。失うものはないし、2位の方が重圧はある」。前回も3位から下克上を完成。今回も当時のような手応えをつかんだ勝利だ。

 試合前にはダイエーの先輩でもあるWBC小久保新監督から激励を受けた。「4年後(WBCで)一緒にやろう」と声を掛けられ「4年後は(現役で)いないですよ」と切り返したが、まだまだ周囲も目を見張るほどの体力。衰え知らずの38歳は「明日(13日)勝って仙台行きを決めたい」と連勝突破を高らかに宣言した。

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