「楽天４‐３西武」（３日、Ｋ宮城）

　手応えは完璧だった。打球が左翼席に飛び込むと、楽天・マギーは右手を上げて一塁を回った。２点を追う八回２死一、三塁。２ストライクと追い込まれても冷静だった。涌井の高めのフォークを逃さず捉えた。決勝弾となる逆転３ラン。ベンチへ戻ると、両手をたたいて喜ぶ星野監督と、興奮気味にハイタッチを交わした。

　お立ち台に上がり「タマシイヲコメマシタ」と日本語で振り返った。そして「チームのために打ちました。チーム全員でつかんだ勝利です」と喜びをかみしめた。

　三塁守備で犯した致命的なミスを取り返した。二回の守備、２死一、二塁で、炭谷のゴロを取り損ねる失策。満塁となり、次打者・鬼崎に走者一掃の先制二塁打が出て、３点を先制された。「ミスが出て、なんとか取り返したかった」。星野監督は「あれ（失策）を取り返すあたりは素晴らしい男だね」と称賛した。

　勝負強さの秘けつを問われたマギーは、「一言で言えば経験。５万人の前でエラーは何度もした」という。メジャー時代の苦い経験が、今につながっている。五回にはメジャー通算４３４本塁打のジョーンズが、反撃の２０ソロ本塁打。ＭＪアベック弾で連敗を止めた。

　４日の試合に勝ち、ロッテが敗れれば、マジック２２が再点灯する。「このままの勢いで乗り切りたい」とマギー。メジャー実績十分の助っ人は球団初優勝につなげる一打を、これからも打つ。