阪神・佐藤輝 初回先制打&八回同点打 森下サヨナラ弾「いやぁ、しびれましたね」

 「JERA CSセ・ファイナルS・第2戦、阪神5-3DeNA」(16日、甲子園球場)

 聖地が揺れるほどの大歓声に負けることなく、塁上で叫び、ほえた。阪神・佐藤輝が感情をむき出しにし、同点右前適時打を喜ぶ。「良かったですね」。試合後は涼しげな表情で引き揚げてきたが、心は燃えさかっていただろう。劇的なサヨナラ勝利は4番の一打なしにかなわなかった。

 1点ビハインドの八回1死一、二塁。伊勢の高めに浮いた初球フォークを逃さなかった。「しっかり1球でね、いいバッティングができたと思います」。劣勢ムードを吹き飛ばし、ベンチではナインがお祭り騒ぎ。この瞬間に、勝利への道筋が見えた。

 振り返れば、最初の1点も佐藤輝のバットからだった。初回1死二、三塁。竹田に打ち取られたかと思われた打球が、左翼線にポトリと落ちた。「チャンスで回してもらったので、初回に先制できたのは良かった」。今季のCS初適時打が先制打。102打点を記録した勝負強さはシーズンと変わっていなかった。

 中盤に逆転されても、どっしりと戦った。「もう勝つつもりでみんなやってたんで。結果そうなって良かったです」。八回1死二、三塁の守備では三ゴロで素早く本塁に送球し、挟殺プレーでは二走の三進を許さず。細かいところにも、王者としての強さが詰まっていた。

 CSファイナルS初戦の前日、藤川監督は「楽しむこと」をナインに求めた。今季終盤、40本塁打という高い壁に向き合う中で、最後は楽しむという思考が生まれた。重圧や焦りといった負の感情もあった中での大台到達。昨季までは届かなかった境地にたどり着き、名実ともに虎の4番を背負えるようになった。

 最後は弟分の森下が決めてくれた。ネクストバッターズサークルは特等席。「すごくいい光景」と自分だけにしか見えない放物線がある。「いやぁ、しびれましたね」。両手を挙げて、歓喜のお出迎えだ。日本一の3、4番。2人で力を合わせて、日本シリーズへの扉を開く。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス