阪神・佐藤輝 セパ最速30号「一つの目標だったので、うれしい」 チーム日本選手で掛布以来43年ぶり 

 4回、右越えに先制の30号ソロを放つ佐藤輝(撮影・山口登)
 4回、右翼スタンドへ先制ソロを放つ佐藤輝(撮影・立川洋一郎)
 4回、先制ソロを放った佐藤輝(中央)は森下とタッチする(撮影・山口登)
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 「阪神1-3ヤクルト」(8日、京セラドーム大阪)

 4番のバットが止まらない。阪神・佐藤輝明内野手(26)が、四回に右翼席に30号ソロ弾を放った。2戦連続の一発で、入団5年目で自身初のシーズン30本に到達。両リーグ最速30号となり、球団日本選手では1982年の掛布雅之以来43年ぶりの快挙となった。試合は延長十二回に勝ち越しを許して連敗。優勝マジックは31で足踏みとなったが、ファンの心に刻まれるアーチとなった。

 高々と舞い上がった白球を、佐藤輝は自信満々の表情で見つめ、華麗にバットを放り投げた。虎党で埋め尽くされた右翼席へ大台の30号。地鳴りのような歓声の中、かみしめるように、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。

 「入ってくれてよかったです。自分の中では30号は一つの目標だったので、うれしいです」

 0-0の四回、2死走者なし。ヤクルト・高梨の甘く入ったフォークを完璧に捉えた。右翼席へ先制のソロを突き刺した。ベンチへ戻り、仲間と喜びを分かち合うと、笑みがはじけた。

 ついに大台に乗せた。この一発が1982年・掛布雅之氏以来43年ぶりとなる球団日本選手の両リーグ最速での30号。自身初で生え抜きでの到達は、1985年の掛布氏と岡田彰布顧問以来40年ぶりの快挙だ。虎のレジェンドに肩を並べたが「(2人とは)違いすぎて、比べるものではないと思います」と謙遜した。

 5年目にして有言実行となった。2020年、ドラフト1位で指名され、迎えた入団会見。目標に「ホームランを30本打ちたい」と掲げていた。ルーキーイヤーで堂々の24発。目標達成は、そう遠くないと思われたが、なかなか数字は伸びなかった。昨季はキャリア最少の16本に終わった。それでも今季開幕前には「毎年自信はあります」と変わらず30発宣言。開幕戦の最初の打席で一発を放つなど、最高のスタートを切ると、ペースを落とすことなく積み上げてきた。

 夢ではなく目標を立て、そして成し遂げた。小さい頃から憧れのイチロー氏が、現地時間7月27日にメジャーの殿堂入りのスピーチを行った。その内容を、少しだが目にしたという。「夢ではなく目標という言葉を使う」というところが共通していた。これまでも目標は常に立ててきた。30号はあくまで通過点。「自分の中で(目標は)ありますよ。言わないですけどね」と、どでかい目標を秘めている。

 節目の一発が飛び出すも、チームは4時間を超える熱戦を落とし連敗。阪神ファンに勝利は届けられなかったが、心に残るアーチを見せることはできた。期待がかかる今後の数字については「1打席、1打席頑張ります。それだけです」と遠くは見ず。佐藤輝は、目の前の戦いに集中し、まだまだ豪快なアーチを描いていく。

 ◆阪神日本人選手が両リーグ最速30本塁打をマークしたのは1982年・掛布雅之以来、43年ぶり。助っ人を含めれば10年・ブラゼル以来、15年ぶり。なお、この日で打率・280、30本塁打、74打点。現時点で本塁打と打点の二冠で85、86年・バース以来となる球団2人目の三冠王も狙える位置だ。

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