阪神・中川 プロ1号!大山代役初5番 両親観戦の地元で125メートル弾 藤川監督「魅力感じる」
「中日8-3阪神」(7日、バンテリンドーム)
次世代の大砲候補に待望の一発が飛び出した。阪神は高卒4年目の中川勇斗捕手(21)が、二回にプロ初本塁打となる1号ソロを放った。大山悠輔内野手(30)が今季初めて欠場し、「5番・左翼」に抜てきされた若虎が起用に応えた。中日の金丸に屈し、連勝はストップ。巨人が敗れたため、優勝マジックは1つ減って「31」となった。
迷いなくフルスイングで振り抜いた。中川は本塁打を確信してバットを放り投げると、ゆっくり歩き出した。両親が見守る中、地元・愛知でプロ1号となるソロを放った。球場表示で飛距離125メートルの特大弾。初回に犯した自らの失策をバットで取り返した。
二回1死。大山に代わって5番に起用された中川が打席に入った。「あー5番か。俺が?」と中軸起用に少し驚いたが、藤川監督の期待にしっかり応えた。左腕・金丸の外角直球を一閃(いっせん)。打球はぐんぐん伸び、黄色く染まった左翼席の奥に飛び込んだ。「真っすぐが強い投手。空振りかファウルにならないように自分のスイングで捉えることができて良かった」。広いバンテリンドームをものともしない一発に、名古屋の虎党は狂喜乱舞した。
結果を出したい理由があった。初回の守備で先頭・ブライトが放った左翼線の打球をファンブル。二塁への進塁を許した。その後、内野ゴロ2つで先制点を奪われた。「守備で迷惑をかけて、取り返したかった。うれしいとかはなかったです」。記念すべきアーチにも、表情を変えずに自らのミスと向き合った。
「もう2軍には行きたくない」。4月29日の今季初昇格後、そうつぶやいた。5月6日の巨人戦(東京ド)ではプロ初安打をマーク。その日、試合を見ていた母校・京都国際の小牧監督から祝福のLINEが届いた。「おまえのおかげで取材対応が忙しいよ。もう2軍は見ないからな」と背中を押された。恩師の気持ちに応えたかった。「ファームでやってきたことを出すだけです」と燃えていた。
今年から本格的に左翼守備に挑戦。筒井外野守備走塁コーチは「彼は心がしっかりしている。うまくなりたいって気持ちが強い。向上心があるよね」と評する。「レベルはまだまだだけどね。気持ちだけじゃうまくならない」と中川の成長に期待して笑顔を見せた。
藤川監督は「すごいホームランでした。1打席に懸けるというところが前から目に留まっていた。打席に魅力を感じる」と目を細めた。六回1死には遊撃への平凡なゴロを放つも、一塁にヘッドスライディング。アウトが宣告された後は、拳を地面にたたきつけて悔しさを表した。中川の気持ちの強さが指揮官をうならせ、5番起用につながった。
まだまだプロ野球人生の1ページ目。これからも自らのバットと全力プレーで多くのドラマをつづっていく。
◇中川 勇斗(なかがわ・はやと)2004年1月27日生まれ、21歳。愛知県小牧市出身。172センチ、75キロ。右投げ右打ち。捕手。京都国際高では3年時に春夏連続で甲子園に出場。21年度ドラフト7位で阪神入団。高校通算18本塁打とパンチ力を秘める打撃が魅力。25年4月30日の中日戦(バンテリン)で1軍初出場、5月6日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初安打を放った。
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