阪神V率100% 近本4安打で首位打者浮上 延長十回、大山押し出し死球でM32!
「中日2-3阪神」(6日、バンテリンドーム)
優勝確定!?近本光司外野手(30)が三回に同点適時打を放ち、同点の延長十回は決勝点につながる左前打で連勝へ導いた。4安打で打率・292として首位打者に浮上し、チームは優勝マジックを1つ減らして「32」とした。100試合目を終えて2位・巨人とは12ゲーム差。2リーグ分立以降、100試合消化時点で2位以下に10差以上をつけていた場合は、優勝確率100%。虎に追い風が吹いている。
虎のリードオフマンが劣勢の試合をひっくり返した。主役は近本だ。巧打の数々で名古屋の虎党を歓喜に導いた。
「出塁です。とにかく出塁しかないです」
並々ならぬ思いで打席に入った延長十回の先頭だった。左腕・橋本の内角直球を捉えた。美しく流し打った打球は虎党の大声援とともに、三遊間を抜けていく。この夜4本目の快音を響かせ、反撃ムードを作り上げた。その後1死満塁で大山の押し出し死球で勝ち越しのホームを踏むと、歓喜するチームメートに迎えられた。
「長い試合でしたが、しっかり勝てたんで良かったです」
序盤からエンジン全開だった。まずは1点を追う三回2死二塁で打席に入った。「頌樹(村上)が粘り強く投げてくれていたので、早い段階で追いつきたいと思っていました」。3球で簡単に追い込まれた中、柳の外角フォークを流し打ち。打球は左前にポトリと落ち、一時同点に追いつく適時打となった。7月27日のDeNA戦(甲子園)以来8試合ぶりの打点だった。さらに六回1死では内角直球を引っ張って右前打。八回無死も右越え二塁打でチャンスメークするなど、大車輪の活躍を見せた。
近本はここまで中日を天敵としていた。試合前時点での対戦成績は58打数11安打、打率・190と苦戦を強いられていた中での快音。さらに今季はチームも同球団に唯一負け越していたが、この日の勝利で五分に戻した。「そこは試合に勝ったら何でもいい」と謙遜したが悪夢は払拭した。
これで最多安打争いは2位の中日・岡林に11本差をつけてトップ。打率・292で2位・中野に1厘差の首位打者に躍り出た。
ヒーローインタビューで暫定首位打者について問われると、近本らしい回答で虎党を笑わせた。「言っちゃうんですね。まだ8月入ったばかりなんで。まだまだ先です」。そしてこれで優勝マジックは「32」に減少。近本はうなずきながらも、「まだ8月6日なので、8月6日です」と再び笑わせた。
この日、チームは今季100試合目を迎えた。2リーグ分立後、100試合消化時点で2位以下のチームに対し、10ゲーム差以上開いていた場合、優勝の確率は100%という吉兆データがある。現在2位・巨人とは12ゲーム差と早くも覇権奪回の雰囲気を漂わせている。「一試合一試合が大事な試合。一勝ずつ積み上げて皆さんで楽しみましょう」と近本。歓喜の秋までチームもファンも引っ張っていく。
◆V確率は100% 1950年の2リーグ分立以後(パ・リーグの前後期制時代を除く)、リーグ戦を100試合消化した時点で2位以下に10ゲーム差以上をつけたチームは過去21回あるが、全てのチームがそのままリーグ優勝を飾っており、優勝の確率は100%となっている。
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