【井川慶氏の眼】見事しか言えない!勝負強いチームの象徴である阪神・佐藤輝

 チームの勝利に貢献し、セーブを挙げた及川とタッチを交わす佐藤輝(撮影・田中太一)
 10回、佐藤輝は右越えに適時二塁打を放つ(撮影・佐々木彰尚)
 チームの勝利に貢献し、ナインと喜び合う佐藤輝(撮影・田中太一)
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 「ヤクルト2-3阪神」(1日、神宮球場)

 阪神に再びマジックナンバー36が点灯した。勝利の立役者は佐藤輝明内野手(26)。2-2の延長十回、右翼越えに勝ち越しの適時二塁打を放った。8月は高校野球に甲子園を明け渡し、4週間、本拠地を離れる阪神の長期ロード初戦で苦しみながらも白星を飾った。デイリースポーツ評論家・井川慶氏は勝負強いチームの象徴である佐藤輝の活躍をたたえた。

  ◇  ◇

 阪神としては盤石の試合運びではなかったですが、それでも勝てたところの強さですよね。ありきたりな表現ですが、とにかく勝負強いチームです。ではなぜ勝負強いのかということですが、一つの要因であり、その象徴となっているのが、佐藤輝選手の存在でしょう。

 ここまでの成績を見ても昨年より成長していることは分かりますし、延長十回の勝ち越し打も見事でした。高めのコースが3球続いた中で、4球目の低めのボールを捉えたものですが、決して甘いボールではなかったです。ヤクルトバッテリーの攻めは間違ってなかったと思いますし、大西投手も失投ではなかった。そこを打ち返すわけですから、見事としか言えないです。

 試合全体を振り返ると、もちろん岩崎投手が九回を抑えていれば良かった流れでしたが、同点で止めたことが大きい。その同点とされた場面でも、熊谷選手が見せた一走・長岡選手の三塁進塁を許さなかった送球も、価値あるプレーでした。こういったところの粘りが勝利につながるわけですし、さすが優勝マジックが点灯しているチームだなという勝利でした。

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