糸井氏が解説 阪神リーグ首位の要因は「直球打たれない伊原」「打力アップの坂本」 夏場のキーマン3選手も指名
阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプで臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)の「超人目線」。今回は交流戦で8勝10敗と苦しんだ中でも、阪神がリーグ首位を走る要因として坂本、伊原の貢献度を解説した。その上でリーグ戦再開に向け、夏場のキーマンに期間中苦しんだ村上、才木、森下の3人を指名。「普段通りの戦いをしてほしいし、できると思う」と期待した。
◇ ◇
交流戦は8勝10敗と負け越してしまいましたが、7連敗など少し苦しんだ中で踏ん張った印象です。セ・リーグではDeNAに3・5差をつけて首位。パ・リーグの強さが際立った期間でしたが、2位とのゲーム差が広がったことでツキもある。阪神としては優勝に向け“追い風”と前向きに捉えることができます。
チーム状態も甲子園に戻った終盤、ロッテ、ソフトバンクとの6連戦で、本来の姿を取り戻しつつあると感じます。ここまでの戦いを振り返ると投手では、村上選手に才木選手、野手では森下選手に輝、大山選手ら投打の主軸が、計算通りに活躍していることが勝因と言えます。そんな中で特筆したい2人がいます。
まずは投手で伊原選手。5勝目を挙げた8日のオリックス戦(甲子園、5回1失点)を解説席から見ましたが、彼のすごさは「ストレートを打たれない」ことでしょう。直球の回転数は2500前後らしく、これはメジャーでもトップレベルの数値。その上で制球も安定しているので、データ上でも抑える根拠があります。彼がいなかったら、また違った結果になっていたかもしれません。
一方、打者では坂本選手ですね。元々、捕手としての能力が高い選手ですが、今年は打撃での貢献度も目を見張ります。4月下旬、「見て下さい」とラインがあって、デーゲームの7時くらいに室内練習場で会いました。逆方向を意識し過ぎていたので、引っ張る意識で打ったらどうだ、と。研究熱心で練習もよくする選手なので、メキメキと実力を付けている印象。一昨年、日本一になったチームは「8番・木浪」の存在が大きかったですが、いまの坂本選手にはその姿がダブります。
ここからのテーマは「没頭」に尽きます。スローガンでもありますが藤川監督が言うように、目の前の試合に没頭することが大事。これまでと同じように普段通りやれば、いい秋を迎えることができます。だからこそキーマンを挙げるなら村上選手、才木選手、森下選手の3人。シーズン序盤からチームを引っ張った選手ですが、交流戦では少し苦しんだ印象です。
森下選手は見逃し三振が目立ったように少し、打席の中で迷いがあったのかなと推察します。また、才木選手も1勝、村上選手は未勝利とつまずきましたが、リーグ戦に戻ることでまた切り替えができます。この4日間でしっかりと体の疲れを取って、頭もリフレッシュして、再スタートを切って欲しいと思います。
最後に、リーグで本塁打王争いのトップを走る輝ですが、大谷(翔平)君を参考にして足を上げないフォームがフィットしました。目線がブレないのでボールにフィットしやすくなっています。彼には「ホームラン王ちゃうで、上には大谷君がおるぞ」と言っています。本拠地は甲子園ですが目指せ45本。2人でデッドヒートして欲しいです。
関連ニュース





