阪神・近本 今季初サヨナラ呼ん打!年イチ倉敷で「いい思い出になりました」 通算1000本安にあと8
「阪神1-0DeNA」(27日、倉敷マスカットスタジアム)
我慢し続けた岡山の阪神ファンが最後に歓喜した。0-0の延長十一回に、近本光司外野手(30)が通算1000安打にあと8本に迫る右中間二塁打で好機を拡大し、無死満塁から森下翔太外野手(24)が押し出し四球を選んで今季初のサヨナラ勝ち。通算勝率6割を超えるマスカットスタジアムで、またも相性の良さを発揮して首位を守った。
「晴れの国おかやま」で歓喜のウオーターシャワーが降り注いだ。晴天の下で主役たちがびしょぬれになっていく。その輪に入ることなく、身を潜めていた男が一人。勝利への立役者となった、近本だった。「勝って良かったです」。サヨナラ勝利を呼び込む、貴重な二塁打。あの一打が劇的な1勝をたぐり寄せた。
両軍無得点のまま、延長十一回に突入した。マウンドには山崎。先頭の代打・糸原が中前打で出塁した。続く近本への初球。バントの構えでボールとなった。「言えないことです」と苦笑いし、作戦なのか、自らの判断なのかは分からない。でも、「ランナーを進めるしかないでしょ」と好機を広げることしか頭になかった。
2ボールとなって四球もよぎる中、高めの変化球を振り抜く。白球は右中間の芝生に弾み、無死二、三塁。もう勝負は決まったも同然だった。次を打つ、中野は言っていた。「近本さんがヒットを打てば、今日いけるのかなと思う。逆に打ち取られると投手がいいのかなって」。1打席目にバウアーから一塁内野安打はあったが、その後は快音なし。それだけ相手先発の出来は良かった。その分だけ、延長での近本の一本が勝利を確信させた。
中野は申告敬遠で、DeNAベンチは無死満塁で森下と勝負を選んだ。「一塁が空いていたので自分と勝負になるかなと思っていました」と若き主砲。気持ちは冷静だった。フルカウントから颯の外角球を見極めて、今季初のサヨナラ勝ち。バットを放り投げ、喜びを爆発させた。
これで近本は通算1000本安打へ、あと8本となった。ついに1桁となり、カウントダウンが進んでいく。ただ、自分のことよりもチームが最優先だ。「結果的に勝ったので良かったです」。感情を大きく起伏させるわけではなく、バスへと乗り込んだ。
一方で、森下は約4時間の熱戦でも最後まで応援してくれた倉敷のファンの前でお立ち台に上がった。「本当に倉敷の地で勝てたことが、自分の中でもいい思い出になりました。これからも応援よろしくお願いします」。マスカットスタジアムでは勝率6割超え。首位も守った。近本と森下が最後の最後で虎党をスカッとさせた。
◆阪神、今季8度目の延長戦 阪神はこの日が今季8度目の延長戦。これまで7試合で3勝2敗2分けだったが、勝った3試合はいずれもビジターでのゲームだった。また、8試合中4試合がDeNAとの対戦で、前回の延長戦も地方球場(ハードオフ新潟)で延長12回引き分け。ただ、DeNAとの延長戦では2勝2分けと負けなしで、しぶとさを発揮している。
◆阪神、倉敷マスカット球場とは好相性 1995年から倉敷マスカット球場で1軍公式戦を開催するようになって以来、阪神はこの日まで44試合で27勝16敗1分け。勝率.628と好相性の戦績を残している。さらにDeNAとは09年4月、11年7月、23年7月に続き、倉敷では4連勝となった。
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