阪神育成・福島「課題はやはり打撃」意識と体のマッチへ奮闘中「練習ではできるけど試合では…」近本打法で結果出す
阪神のファームを特集する企画「飛び出せ大物」。新2軍球場の最寄り駅である阪神大物駅(だいもつ)にちなみ、ファームから生まれるスター選手を発掘していく。第4回は俊足と堅守が魅力の育成・福島圭音外野手(23)を取り上げる。50メートル5秒8の足と遠投110メートルの肩を生かした守備が武器。課題の打撃は現在研究中。虎のリードオフマンを目指す23歳の現在地に迫る。
「なにか変えないとダメだ」
昨秋の安芸キャンプメンバーに選出された福島は危機感を募らせていた。24年のウエスタン・リーグでは110試合に出場。期待を受けて打席に立つも、打率は・245に終わっていた。
「課題はやはり打撃です」。明確に課題を理解し、キャンプ中は打撃改造に取り組んだ。「新たに近本さんの打ち方を意識しました」。構えた時にバットの先端が投手の方を向くフォーム。フォロースルーも完璧に大先輩を模倣した。キャンプ終了後に参加した「アジアウインターベースボールリーグ」では実際に近本フォームで打席に立ち、16試合で打率・298をマーク。自慢の足で盗塁9とリードオフマンとしての潜在能力を発揮した。
だが、打撃は水物。ずっと模倣ではうまくいかない。常に進化を求める福島は現在も打撃研究中だ。「打っている動画を見て、今どうやって打っているか。自分の意識と体をマッチさせるために動画を見て合わせている」。脳内のイメージ通りのフォームを反映させるのは難しいことだという。
福島にとって理想のフォームで結果を出した試合があった。3月2日の教育リーグ広島戦(SGL)。2-2で迎えた九回1死一、二塁で遊撃の頭を越える中前へのサヨナラ打を放ち、SGL初勝利の立役者となった。「あの時はイメージできて体もマッチしていたし、打席の中で余裕があった」と語る。「練習ではできるけど、試合では力んでしまう。そこを改善していきたい」。試合でも結果を残し、俊足巧打の外野手を目指していく。
今季はここまでウエスタン38試合に出場し、打率は・185で5盗塁とまだまだ進化の途中。「毎日、気持ちを入れて練習して必死にやる、ということは簡単なようで難しい。長いシーズンをプレーする上で覚悟を決めてやることを意識しています」。強い気持ちで覚悟のシーズンを送る福島。現在は3桁背番号だが、憧れの甲子園でダイヤモンドを駆け回る日々を努力で勝ち取る。
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