阪神・ヘルナンデス 昇格即聖地で来日初安打 「モーチョ!モーチョ!」虎党大合唱応えた記念の一打
「阪神2-3巨人」(22日、甲子園球場)
阪神ベンチに戻ると、ラモン・ヘルナンデス内野手はチームメートからもみくちゃにされた。思わず笑みがこぼれる。昇格し1打席目に放った来日初安打。記念球を受け取ると、陽気な笑顔で仲間たちに披露した。
「素直にうれしい。下でいろんな方に支えていただいて、こういう機会があったので、試合は負けてしまいましたけど自分としてはうれしい」
この日はSGLでの2軍戦に出場。2打席に立った後、そのまま甲子園に向かった。そして出番は同点の八回無死で訪れた。代打として石川に対し粘った。フルカウントとした7球目、147キロ低め直球をたたいた。打球は三遊間を破り、左翼へ転がる。来日2打席目で出た記念の一打で好機を演出。ヘルナンデスは一塁上で天にキスをささげ、手をたたいた。
父の影響で始めたソフトボールから6歳の頃、野球に転向した。米マイナーリーグ、メキシカンリーグでもプレーしたが、あこがれていたのは日本の野球だった。「一つの夢がかなったなと思うよ」と胸を高鳴らせて海を渡ってきた。
チームでは「モーチョ」と呼ばれ、ムードメーカーとなっている助っ人。しかし、意外にも「メキシコ時代はムードメーカーではなかったね」と明かす。温かく、チームにファンに受け入れられたのがうれしかった。「日本は特別だなって感じた。自分の調子が悪くても一生懸命応援してくれた。だから頑張れたし、チームメートが打席に立つ時はできるだけ応援しようって思えたんだ」。開幕後は1打席に立っただけで、2軍降格。それでも頑張れたのは温かい応援があったからだ。
この日も甲子園に響き渡った「モーチョ!モーチョ!」の大合唱。「こんなに満員の中でプレーしたのは初めてなのでうれしい」。応援が後押ししてくれた記念の一打で、スタート地点に立った。ヘルナンデスには日本での理想像がある。「チームから必要とされる選手になることが絶対。チームを優勝に導けるような選手になりたい」。明るく、力強く虎のVロードを導いていく。
野球スコア速報
関連ニュース





