【糸井嘉男氏の眼】5番・大山として乗り越えて 阪神打線復調へのカギを握るクリーンアップ
「阪神2-4広島」(16日、甲子園球場)
藤川阪神が首位の座を明け渡した。2点を追う七回に4安打を集めて追い付き、なお1死一、三塁と攻め込んだが、勝ち越し点が奪えず。九回に守護神・岩崎が踏ん張れず競り負けた。デイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)は久々に安打を放った大山について「まだ本調子とは言えない」と分析。完全復調に向けて「5番・大山として乗り越えてほしい」とエールを送った。
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首位攻防戦は打線の状態が、わずかな差を分けたと考えます。初回に2失点した村上投手、九回に打たれた岩崎投手と、決して悪い球ではなかった。それでも広島打線が上回りました。それだけ今のカープ打線が好調だと言える結果でした。
一方、少し調子を落としている阪神打線は、森下投手の攻略に苦しみました。この日の状態を見ても序盤は連打、連打で得点するのは難しい。それだけに七回は次戦につながる攻撃でした。打線として復調のカギを握るのはやはりクリーンアップ。3、4、5番です。
輝の左前打から大山選手、前川選手はいずれも2球目、早いカウントから仕掛けました。序盤もそうでしたが打てる球が絞れず、結果が出ない時は受け身になるケースがある。七回は木浪選手まで10球で1点。阪神打線の良さでもある積極性が見えた攻撃に、打線として復調気配を感じます。
22打席ぶりに安打が出た大山選手は、まだ本調子とは言えないでしょう。20打席くらいの無安打は、長くやれば誰にでもある。彼は努力家ですし、試合前も早く来て調整する選手。修正方法も持っていると思うので、根気よく続けていけば元の大山に戻ります。大事なのはブレないことです。
復調には打順を下げることも一手ですが、僕個人としてはそれは考えられない。5番・大山はチームの要。彼が打てば勢いが付くし、打たなければ打線の状態も上がってこない。それだけ替えが効かない選手です。5番・大山として乗り越えてほしいと思っています。
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