阪神・中川 初スタメンでプロ初安打 ハツラツ21歳が攻守で飛んだ「結果を出さないと残れない」
「巨人1-7阪神」(6日、東京ドーム)
バットから心地いい感触が阪神・中川勇斗捕手(21)の手のひらに伝わった。渾身(こんしん)の一振りで念願のHランプが光る。全力疾走で頭から滑り込み、右手で「セーフ」を強調。一塁ベースを力強くたたいて「結果を出さないと残れないので、そこは必死に行こうと思って」と無邪気に喜んだ。
ついにつかんだ「7番・左翼」でプロ初スタメン。五回1死、初球の変化球を力強く引っ張り、三塁線への強襲打でプロ初安打をマークした。さらに守備でも好プレー連発。「取れるアウトを取る」と、二回1死一塁は長野の浅い飛球に頭から飛び込んですくうようにグラブに収めた。三回1死では泉口のファウルゾーンへの飛球に対し、フェンス際でスライディングキャッチを決めた。
出場機会を増やすために昨秋から外野の守備に挑戦。2軍戦前の練習ではシートノック直前までノックを受けるなど、懸命に食らいついた。「ファームでやってきたことをいつも通りやっていくだけ」とこれまでの準備を出し切った。
昨年は春季キャンプで初めて1軍に抜てきされたが、右下肢を痛めて途中離脱した。2軍で開幕し、70試合で打率・321、4本塁打。好成績を残したが、1軍の壁は高かった。「ケガとかもしていたので、そりゃチャンスなくなるわって」。それでも腐らずやってこられたのは、中川自身のマインドにあった。
「後悔で捨てる人生を送りたくない。楽しくないともったいない」。自身の揺らぐことない考え方だ。「去年は本当に悔しかったんですけど、普通に自分のためにやればいいかなって」。生まれ持った前向きな性格が、野球へのモチベーションを保ち続けた。
記念球は両親へ送る。「本当に準備とか必死にやるだけって感じです」。攻守でハツラツとしたプレーを見せた21歳が第一歩を踏み出した。
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