「ウエスタン、広島９－５阪神」（３日、由宇球場）

　恐怖の９番打者が天性のバットコントロールを光らせた。「９番・二塁」でスタメン出場した阪神・戸井が５打数３安打の活躍。バットでチームをけん引した。

　まずは三回無死一塁。先発・佐藤柳の外角直球を逆方向へ鋭く打ち返し、右前打で一、二塁とチャンスを拡大した。「今日はうまく右方向に打てた」と五回も先頭で同じコースの直球を見逃さず、右前打。後続も続きこの回チームは２得点。六回無死一塁も低めのスプリットを捉え、左前打で３本目。この回も得点に絡み、４点目のホームを踏むなど、自らのバットで得点を呼び込んだ。

　４月２６、２７日のウエスタン・中日戦に帯同したが、５打数無安打。悔しさがこみ上げた。雪辱を果たすため帰阪後は誰よりもバットを振った。「ダメだったことを確認して、打席で間を作ることに取り組んだ。今日の３本目の安打はいつもだったら空振りしていた」。見事に努力を結果で示した。

　平田２軍監督も「しっかりＳＧＬで打ち込んだ成果がこの３本につながった。素晴らしいね」と手放しでたたえた。指揮官も認める練習の虫は懸命にバットを振り続ける。