阪神・木浪 遊撃手レジェンド吉田義男さん追悼試合で逆襲打 「なんとか出られて良かった」九回代打でマルティネス撃ち

 「阪神1-2巨人」(27日、甲子園球場)

 決して諦めることはなかった。最後の最後まで球場を盛り上げた。阪神・木浪聖也内野手は二塁へ到達すると、手をたたいてガッツポーズ。いつも以上の大歓声と拍手が降り注いだ。

 1点を勝ち越され迎えた九回。マウンド上は守護神・マルティネス。祈るような思いで虎党が見守る中、先頭で「代打・木浪」が告げられた。「(球が)速いのはわかってるので、その中でどう準備して打席に入るかが大事」と2球目、高め154キロ直球に振り負けなかった。力強い打球は右翼線際へ。「自分の役割は出ることだったのでなんとか出られて良かったです」。試合前まで9登板で防御率0・00だった鉄壁右腕からの二塁打で、希望をつないだ。

 この一打が出場6試合ぶりの安打に。木浪にとって苦しい日々が続いていた。19日、甲子園での広島戦。3失策を犯してチームは敗戦し、以降はスタメンから外れていた。それでも気を落とすことはなかった。

 「いつまでもミス、ミスって自分も嫌というか、もう切り替えてるので。やってしまったことは変えられないけど、これからを変えることはできる」

 前向きな姿勢で、自分と向き合ってきた。「練習するしかないですし、試合に出た時にどうプレーするかっていうのはこれからが大事。終わったことは終わったと。それを糧にしてやっていけたら」。このメンタルの強さがあるからこそ、放てた一打だ。

 代走には植田が送られ、小幡が犠打を決め1死三塁。代打・渡辺が打席を迎えた。右腕の直球に食らいつく。植田は必死にヘッドスライディングしたが、遊撃からの送球にタッチアウト。近本も倒れ、悔しいゲームセットとなった。

 それでも最後まで諦めず攻め続けた。吉田義男さんの追悼試合となった一戦。同じ遊撃手のレジェンドへ「出るところでしっかり活躍する」と木浪も思いを込めて臨んだ。勝利はできなかったが、雄姿はしっかり届けられたはずだ。29日からは9連戦。この粘り強さを持って、再び連勝街道を切り開く。

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