投打に期待の阪神若手「腕が振れる工藤」「高寺パワー付いた」 糸井嘉男氏が明かした秘話&課題とは

 育成から支配下登録された工藤
 移動する高寺(撮影・田中太一)
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 阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプでは臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)の「超人目線」。今回は高寺望夢内野手(22)、工藤泰成投手(23)に迫る。藤川球児新監督(44)がキャンプMVPに指名し、「リトル糸井」と称したホープの評価と、レギュラーを取るための課題を解説。また、育成から支配下登録された右腕と、独立リーグ時代にあった接点や知られざる秘話を語った。

 オープン戦に入りましたが、打者陣が好調をキープしています。ここまで順調じゃないでしょうか。何人も伸びている選手が見受けられますし、藤川監督も手応えを感じていると思います。この時期、選手の調整は立場によって変わります。主力はいかに開幕に合わせるか。ケガ予防と体調管理。自分との戦いです。

 一方で、若い選手はもう本番モードでしょう。僕も現役時代はそうでしたが、3月は開幕しているつもりで過ごしていました。試合に出させてもらって、その中で一つ一つ課題が見つかる。それを練習で克服していく。とにかく必死に、反復練習です。自分の力をどんどん伸ばしていく努力をしなければいけません。

 今年の春季キャンプは臨時コーチとして、久しぶりに選手とグラウンドレベルで接しました。野手では、藤川監督も「リトル糸井」としてMVPに挙げた高寺選手に、成長を感じますね。ケージの裏でバッティングを見てたんですけど「あっ、これはかなり変わったな」と思いました。技術的に言えばパワーが付いた。元々、コンタクトする技術を持っている選手ですが、かなりバットを振り込んだのでしょう。オフの練習が見受けられます。

 ただ、レギュラー争いはどのポジションも激しいです。ここから先は今以上に成績が大事。与えられたチャンスで結果を出すこともそうですが、監督が使いたくなるような姿勢を見せることも重要です。1球、1打席が勝負だと思って全力でアピールすること。ユーティリティーでどこでも守れるのは彼のパワーポイント。バックアップの選手としてだけではなく十分、ポジションを勝ち取る力を持っています。

 先日、支配下選手登録された工藤投手とは、独立リーグ時代から縁があります。彼の良さは真っすぐの強さと、投げっぷり。腕が振れることです。実は、打席に立ってボールも見ました。いろんな球種も投げてもらいましたが、その時に「プロで活躍するために、どういう球を投げたらいいですか?」と聞かれました。「それはインコースにしっかり投げきること。度胸もいるし、技術も必要。ボールでもいいから遠慮なく内角を攻めよう」と伝えました。支配下登録はうれしいですが、それ以上のポテンシャルもあるので当然。勝ち試合のいい場所で投げる可能性も高いと思いますね。

 さぁ、開幕まで1カ月を切りました。先日、侍ジャパンの強化試合・オランダ戦を現地観戦しました。テルに、大山選手に、石井選手…虎が躍動していましたよ!!臨時コーチをさせてもらったこともあって、勝手ながら誇らしい気持ちにもなりました。日の丸を背負って普段通りにって、なかなか難しいです。本当に心の底から頼もしかったです。大山選手らしいスイング、弾道のホームランも、侍ジャパンで見ることができました。昨年、野手が春先に不振で、なかなか波に乗ることができませんでした。今年はテルと大山選手を中心に、開幕ダッシュを決めてほしいと思います。

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