阪神・百崎 ルーキーイヤーでプロの壁 2年目巻き返しへ猛練習 同期・山田に闘争心「高めあって勝ちたい」
「熱鳴」が「熱具志」となったキャンプ企画。第4回は2年目の百崎蒼生内野手(19)を取り上げる。17日のシート打撃では具志川を視察した藤川監督から高く評価された。苦しんだルーキーイヤーからの巻き返しを目指す今季。キャンプで充実の日々を送る若虎に迫った。
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具志川には連日「ももー!」と選手、コーチ陣から大きな声が響き渡る。その声の先には、真っ黒に日焼けした百崎が、ハツラツとしたプレーで存在感を放っていた。「プレーもそうだけど、元気でもいろんなところでアピールしたい」。今キャンプにかける熱い思いを語った。
連日、早出練習から精力的に動く。全体練習が終わっても「感覚が大事なので納得するまで」と午後7時頃まで室内でバットを振る日もある。「やりたいことはできている。精神的にも成長してるかな」。表情からも充実度が伝わった。
苦しんだ1年目からの巻き返しを目指している。昨春キャンプは「ただついていくだけだった」。シーズンでも苦悩は続き、本職の遊撃は守れず、ウエスタンでは74試合に出場して打率・185、1本塁打、10打点と持ち味の打力でも結果が出なかった。「全然ダメだと思ったし、自信がなくなっていった」。プロの壁にぶち当たっていた。
追い打ちをかけるように、秋季キャンプメンバーからも外れた。近い年代の選手が藤川新監督にアピールする中、鳴尾浜で居残り練習。「悔しかった」。もどかしい気持ちが募るばかりだった。
ただ、この残留練習がきっかけとなった。馬場2軍守備走塁チーフコーチ、山崎2軍内野守備走塁コーチと徹底的に守備練習。「自分が理解しているか聞いてくれて、次の段階に進めてくれた」。基礎を徹底し、守備力が向上。再び遊撃で勝負すると決めた。
ライバルの存在も大きい。同期入団で同じ遊撃の山田が、今キャンプ宜野座組スタート。どうしても比べられる2人だが「いい方向に働いていると思っている。いつか互いに高めあって勝ちたい」と闘争心を燃やした。
打撃では北川2軍打撃チーフコーチと二人三脚で「腕が走るスイング」に改良。8、9日の1、2軍合同紅白戦ではアピールできなかったが、17日の具志川でのシート打撃で湯浅、島本から快音を響かせた。視察に訪れていた藤川監督も名前を出して高評価。「うれしいですね。結果で見せるしかないので」と言葉に力を込めた。
「今は自分に自信をつけるためにやっている。今年はしっかり自信を持ってプレーしたい」。一つの壁を乗り越え、進み始めた百崎は、まだまだ成長を遂げていく。
◆百崎 蒼生(ももさき・あおい)2005年9月11日生まれ、19歳。熊本県出身。179センチ、74キロ。右投げ右打ち。内野手。東海大熊本星翔から23年度ドラフト4位で阪神入団。24年はウエスタン74試合で打率・185、1本塁打、10打点。
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