阪神・渡辺 2試合ぶりマルチ 9日の頭部打撲の影響なし「問題なくできた」

 「オリックス4-0阪神」(11日、京セラドーム大阪)

 バットを振り抜いた直後に天を仰いだ。1点を追う六回1死一、二塁。阪神・渡辺は1ボールから左腕・曽谷の低めへのフォークを完璧に捉えた。

 しかし、快音を残した打球は三塁正面へのライナー。「今日みたいなピッチャーは右バッターがしっかり打たないといけないと思うし、あそこで打てれば雰囲気も変わったと思う」。ため息の中で、うつむいてベンチへ戻った。

 決定打は放てなかったが、アクシデントの影響を感じさせない奮闘を見せた。

 9日・西武戦(甲子園)。一塁ファウルフライを追ってカメラマン席に頭から転落した。病院で検査を受けた結果、「頭部打撲」と診断されたが幸いにも軽傷。「どうしてもナベ(渡辺)いるよ。今、調子ええしな」と岡田監督から5番で送り出され、結果で応えた。

 二回無死はバットを真っ二つに折られながらも遊撃の頭上を越える中前打。1死後はミエセスの中前打で三塁へ進塁する好走塁も見せた。四回1死も初球を捉えて中前打。打線が12三振を喫した曽谷から2安打を放ち、「しっかり打つべきボールを打ててるのでそこは良かった」。2試合ぶりのマルチ安打で打率・286とした。

 試合後も負傷箇所に影響はなく、「問題なくできたので良かった」と万全を強調。「得点圏で打てるようにやっていきたい」。打線のキーマンは連敗阻止へ目を向けた。

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