阪神・小幡 17戦ぶりスタメンに燃えた今季初タイムリー 逆転口火「空回りしないように」

 「阪神5-4ヤクルト」(27日、甲子園球場)

 ようやくチャンスが巡ってきた。絶対に手放すわけにはいかない。阪神・小幡竜平内野手は静かな闘志を内に秘めながら、平常心を保っていた。「頑張りすぎて、空回りしないようにというのだけは意識しました」。4月6日・ヤクルト戦(神宮)以来、17試合ぶりの先発起用。やってきたことを信じて、バットを振った。

 二回2死一、二塁。2点ビハインドの場面で1打席目を迎えた。追い込まれながら、サイスニードの変化球に食らいつく。「つなぐ意識で入った中で、結果的に点に絡んで良かった」。今季初の適時打。白球は中堅の芝生に弾み、反撃ののろしを上げた。

 右人さし指を一塁ベンチへ突き出す。木浪も拍手でたたえていた。筒井外野守備走塁コーチと力強くハイタッチし、ホッとしたようにほほ笑む。「結果を出せたことが良かった」。五回は先頭で中前打を放ち、チャンスメーク。近本の逆転2ランも呼び込んだ。

 昨季の6月25日、一つの転機があった。DeNA戦で相手投手はバウアー。何かのきっかけにと中野のバットで打席へ向かった。すると、7打席ぶりに安打を記録。それから、先輩の相棒を借り続けることになった。今季も継続。一番の変化は「操縦性」だ。

 今オフのテーマは確実性を上げること。「間を抜く打球」を求めてきた。そのために最適なアイテム。重さやグリップ、ヘッドの走りなどが合っていた。「なじんできてる感じはあります」。もうすぐ、使用開始から1年。この日も追い込まれてから、見事なバットコントロールで運んだ。今季初のマルチ安打が進化の証しとなった。

 昨季は開幕スタメンをつかみながら、木浪に定位置を奪われた。今季の開幕遊撃も木浪だった。ただ、まだシーズンは序盤。「結果を出すだけだと思っているので、(レギュラーを)取れるように頑張ります」。お立ち台にこそ上がらなかったが、陰の勝利の立役者。ここからサクセスストーリーが始まる。

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