阪神・ゲラ いきなり出た最速157キロ 低め抜群の制球力 リリーフ層「そら、厚なる」岡田監督高評価

 「阪神春季キャンプ」(19日、宜野座)

 阪神の新助っ人、ハビー・ゲラ投手(28)=前レイズ=が19日、来日後初めて打撃投手を務め、最速157キロをマークした23球で潜在能力の高さを示した。前川、ミエセスと対戦し、全球低めに集めて抜群の制球力を発揮。岡田監督も「あんだけ高めにいけへんねんな。すごいと思った」と高評価を与えて、キャンプ中のオープン戦で実戦デビューすることも決まった。

 球団初の連覇を目指す今シーズン、現状唯一となる新助っ人の実力を測ろうと、宜野座の虎党が息をのんで見守った。熱視線の中心に立つのはゲラ。小走りでマウンドに向かい、「チームメートとはいえ、やっぱり打者ということでちょっとアドレナリンも出ました」。まずはミエセスとセットポジションで対峙(たいじ)した。

 カウント1-2から低めに投げ込んだカットボールに、ミエセスのバットが豪快に空を切る。“来日初奪三振”に拍手が起き、感嘆の声も漏れた。続く前川への初球、右翼への柵越えを浴びたのはご愛嬌(あいきょう)。前川との2度目の対戦では、この日最速の157キロをはじき返した打球が臀部(でんぶ)付近に直撃したが、「全然大丈夫です」と手当ても受けることなく続投した。

 ミエセスに13球を投じて左前への1本、前川に10球を投じて右本塁打、投手強襲打の2本と、安打性は3本。カットボールとツーシームも交えた23球に抜け球はなし。すべて低めに集め、「真っすぐをしっかりゾーンに投げることを意識して、それができたので、感じは良かったと思います」と助っ人右腕は納得の表情だ。

 “初登板”を見届けた岡田監督は高評価を与える。「ブルペンでもな、低めに丁寧に投げてるというのは聞いとったけど。1球も高めなかったやろ?そこはすごく評価できるよな」と練習に取り組む姿勢も含めて称賛。「ある程度な、勝ちパターンていうか、後ろの方で投げられる。十分と思うけどな。そら、(リリーフの層は)厚なるやろ」と目を細めた。

 今後はゲラ本人の希望も踏まえて2度目の打撃投手を経てから、実戦デビューする。安藤投手コーチは「ブルペンでコントロールの悪いイメージもないし、あとは試合でバッターと対戦してどうかな」と、キャンプ中のオープン戦で1イニングの登板予定であることを明かす。

 先月末の来日から、この日で3週間が経過した。初めて向き合う日本野球に「僕の中では(米国と)一緒。いいチームメートと練習し、バッターを打ち取ることを考えて」と順応。制球力と適応力を光らせて、ブルペンに欠かせない存在となる。

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