【中田良弘氏の眼】阪神 八回の大ピンチで4カ月ぶり登板で火消し チームも湯浅も復活させる一球 岡田監督の決断に感服
「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース4-3オリックス・バファローズ」(1日、甲子園球場)
阪神がサヨナラ勝ちで2勝2敗のタイとした。球団としては2003年のシリーズ第4戦以来となる劇勝。同点の九回、4番・大山悠輔内野手がサヨナラの左前適時打で試合を決めた。八回2死一、三塁からは、6月15日のオリックス戦以来となる1軍ベンチ入りを果たした湯浅京己投手が登板し、わずか1球でピンチを切り抜けた。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「チームも湯浅も復活させる一球。岡田監督の決断にも感服した」と大絶賛した。
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阪神は終盤は苦しい展開が続いたが、よく勝ちきった。2点リードの七回に佐藤輝の失策をきっかけに同点とされ、八、九回も得点圏に走者を進められた。それでも救援陣が勝ち越しは許さなかった。特に八回2死一、三塁から登板した湯浅が、中川圭を初球で二飛に仕留めた場面が流れを変えた。
湯浅は6月15日・オリックス戦を最後に1軍登板はなく、CSでも投げていない投手だ。まず何よりも岡田監督が状態を見極めてベンチに入れて、緊迫した場面でマウンドに送った決断がすごい。
投手心理からすれば、しびれる場面で起用してくれると奮い立つものだ。
また、中川圭は七回無死一塁から近本の中飛を落球する失策を犯しており、期する思いがあったはず。一本が出れば一気にオリックスへ流れが傾く場面だったが、初球の低め直球で仕留めた。ここ2戦は苦しんでいたチームも、湯浅も復活させる一球だったと思う。
試合全体を見れば、才木が勝ち越した直後の三回無死一、二塁で森を遊ゴロ併殺に打ち取った場面も大きかった。桐敷は失策絡みの失点だったが、石井、島本、湯浅、岩崎とそれぞれが役割を果たした。投手陣が踏ん張ったからこそ、サヨナラ勝ちにつながったと言える。接戦をモノにしてきたシーズンのような戦いで価値ある勝利をつかんだ。
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