阪神・村上V撃でCS突破率95% 投げて6回1失点 熟考の末に侍オファー辞退、全身全霊で日本一へ

 5回、勝ち越しの適時 二塁打を放ち、ガッツポーズを決める村上(撮影・高部洋祐)
 先発し、力投する村上
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 「JERA CSセ・ファイナルS・第1戦、阪神タイガース4-1広島東洋カープ」(18日、甲子園球場)

 投げて、打っての大活躍や!「2023 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルS第1戦が行われ、阪神が勝利。アドバンテージを含めて2勝0敗とした。決勝打を放ったのは村上頌樹投手(25)。先発投手として6回1失点と試合をつくった右腕が、同点の五回に適時二塁打を放った。シーズン優勝チームが初戦を勝てば、CS突破率は95%。このまま一気に日本シリーズへの切符をつかむで!!

 打球は一塁線を勢いよく破った。のみ込まれそうなほどの大歓声。バンザイ!!村上は二塁上で両腕を目いっぱい広げ、喜びを表現した。重圧がのしかかるCSファイナルSの第1戦を、投打でけん引だ。

 「もう球場に来てからは緊張していました。(心臓)バクバクでマウンドに上がりました」

 聖地を取り巻く異様な空気。全てを味方に付けたのは自らのバットだった。同点の五回、1死一、三塁の好機で代打を送られずに打席へ。「後ろが良いバッターなので、ゲッツーだけはならないようにと思って」。九里の初球チェンジアップを捉え、勝ち越しのV二塁打をマーク。球団初のポストシーズンでの投手による打点を挙げた。

 「思い通りのピッチングと言えるような出来ではなかった。ボール球がはっきりしていた」。マウンド上では苦しみながらも踏ん張った。四回に先制の犠飛を献上。同点の五回にも2死一、二塁とピンチを招いたが、野間を低め直球で遊直に。雄たけびを上げ、力強くガッツポーズを決めた。勝ち越した直後の六回は初めて三者凡退に。自己ワーストタイの3四球を与えたものの、6回3安打1失点の力投で勝利を導いた。

 決戦の時が近づいていた頃、ある決断をした。11月16日に開幕するアジアプロ野球チャンピオンシップの侍ジャパン入りへオファーを受けていた右腕。「経験のためには行った方が良い。そりゃ、あのユニホームは着たいけど…」。憧れはあったが、返答期限ギリギリまで悩んで辞退を選択した。「今年だけじゃないから」。プロ未勝利からはい上がってきたからこそ、この輝きを1年だけで終わらせるわけにはいかない。

 「初戦のすごい緊張感で投げられたのは良かったですし、しっかり良い経験として、次の試合であったり来年に向けてやっていきたいなと思います」。日本一の景色を見るために、最後まで全速力で駆け上がる。

 ◆阪神投手PS初打点 阪神投手がCS&日本シリーズでのポストシーズンで打点を記録したのは今回の村上が初。また、他球団投手がCSで決勝打を放った例は2017年ファイナルS第3戦でDeNA・井納が広島・ジョンソンからタイムリー。なお、この時のスコアは「1-0」だった。

 ◆岡田阪神!突破率95%!! CSが導入された2007年以降、ファイナルS初戦を勝利したシーズン優勝球団のCS突破率は95.2%。初戦に勝利して敗退したV球団はセ・パ通じて17年・広島のみとなっている。

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