阪神・嶌村聡球団本部長（５５）が１０日、都内のホテルで取材に応じ、前ヤンキース３Ａスクラントン・ウィルクスバリのコルテン・ブルワー投手（３０）の獲得交渉を進めていることを認めた。補強期間の７月３１日が迫る中、岡田監督もビデオでチェックし「これだったらいける」とゴーサインを出したという。真夏の勝負どころに向けて、“Ｖの使者”が虎にやってくる。

　虎のブルワー誕生は秒読み段階だ。都内のホテルで取材に応じた嶌村球団本部長は「今、交渉を前向きに進めています」と認めた。

　「今年はヤンキースで３試合、（３Ａ）で１５試合投げています。当然、監督と相談しながら“７・３１”までのリミットがあるので、外国人を１人取ろうと進めてきました。リリーフ投手です」

　この日、ヤンキースは公式ツイッターでブルワー放出を発表。来日のメドについては「早く合意、正式発表ができて、速やかにしたいというところ」と話すにとどめたが、明快な“嶌村節”が順調な交渉をうかがわせた。

　「映像は見たよ。これだったらいけるんちゃうかとなったんや」

　岡田監督も新神戸駅で“Ｖの使者”へ期待を膨らませていた。今季３Ａでの投球をチェックし、獲得へゴーサインを出したという。

　「コントロールは普通やな。クイックだけはアメリカにいる時に早よせいと、それは条件として付けたけどな」

　湯浅不在の中、ブルペンの救世主として期待は大きい。岩崎、岩貞の両左腕が勝ちパターンを担う中、右の剛腕が加われば、負担を軽減できる。岡田監督はブルワーのポジションについて「見てからよ」と明言を避けつつも「ピッチャーは人数おってもええからな」と加入を待ちわびる。

　「戦力で使えるんやったら絶対プラスになるわな。みんな分からんわけやからな」

　０３年はシーズン途中に加入したリガンが２９試合に登板。リーグ優勝の貴重なピースとなった。１５０キロ前後のカットボールを武器にするブルワーも、８月の勝負どころでフル回転が期待される。

　ブルワー加入となれば支配下選手６９人となり、残りは１枠に。補強期間の７月３１日まで「状況を見ながらやっていきたい」と嶌村球団本部長。“アレ”へ向かって、戦力充実を図っていく。

　◆コルテン・ブルワー（Ｃｏｌｔｅｎ　Ｂｒｅｗｅｒ）１９９２年１０月２９日生まれ、３０歳。米国出身。１９３センチ、１０４キロ。右投げ右打ち。投手。１１年ドラフトでパイレーツから指名されて契約。１６年オフにルール・ファイブ・ドラフトでヤンキースへ。１７年オフにパドレスへ移り１８年４月にメジャーデビュー。レッドソックス時代の１９年に５８試合登板。メジャー通算８４試合で２勝５敗７ホールド、防御率４．９８。