阪神・佐藤輝 激走V生還!13戦連続出塁打で好機拡大「流れを呼んで来れている」

 「阪神2-1巨人」(26日、甲子園球場)

 迷いはなかった。「行くぞ!」。阪神・佐藤輝は藤本三塁ベースコーチの声を背後に聞くと、体勢をぐっと沈めた。27・43メートルを夢中で走り、勢いそのままにスライディング。「思い切っていきました」と決勝点をもぎとった瞬間、聖地が地鳴りを起こした。

 1点を追う七回だ。まずはバットで突破口を切り開いた。1死一塁で打席を迎えると、13試合連続出塁となる左前打で好機を拡大。続く森下が左前適時打を放ち、同点に追いついた。

 主砲の一打でつながった打線。なおも1死一、二塁から8番・梅野の左前打で満塁に。最低でもあと1点。木浪が浅い左飛を打ち上げたとき、三走・佐藤輝は腹を決めた。秋広が捕球した瞬間、生還は厳しいように思えたが、遊撃・坂本のカットを挟んでの返球よりも、一気に滑り抜けた足が勝った。

 緊迫した伝統の一戦。粘り強く投げる今季初先発の桐敷を何としても援護したかった。「よかったです。きょうは本当にナイスピッチングでした」と後輩の初勝利に笑みを浮かべた。

 6連勝と勢いに乗る猛虎。主砲のバットも上昇中だ。「チームに流れを呼んで来れていると思う」。手応えを感じつつある打棒でチームの勢いをさらに加速させる。

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