【中田良弘氏の眼】敵の術中にはまった阪神

 「阪神0-5ヤクルト」(10日、甲子園球場)

 今季初の和製オーダーで挑んだ阪神は決定打を欠いて2試合連続完封負け。デイリースポーツ評論家・中田良弘氏は、ヤクルトのベテラン左腕・石川の「思惑通り」と指摘した。

 ◇ ◇

 術中にはまった完封負けといえるのではないか。前日9日のヤクルト先発は速球派右腕の吉村。そしてこの日はベテラン左腕の石川だった。タイガース打線は相手の思惑通りの打撃をさせられてしまっているようだった。

 この日の打線は石川の投じる130キロ台半ばのボールに振り遅れていた。これは緩急を使ったベテラン投手ならではのうまさ。さらに緩いボールが多いだけに引っ張りにいく打者が多く、その結果、ポップフライなど打ち損じが多かった。石川からすれば『引っ張りの打撃』をしてくれた方が楽だろう。

 石川のようなタイプの投手に対しては三回に木浪が見せた左前打のようなバッティングが有効。強引に引っ張りにいかず流し打つイメージだ。

 そして気がかりなのが近本。この日で5月月間打率・125となった。六回に放った左中間への二塁打は石川攻略のお手本のような内容。この一打を再浮上のきっかけにしてほしい。

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