阪神・渡辺諒 努力で手にした「直球破壊王子」の異名 プロ入り当初は「全然打てなかった」

 「巨人1-4阪神」(13日、東京ドーム)

 移籍後初スタメンの阪神・渡辺諒内野手(28)が四回、決勝の1号ソロを放った。今でこそ「直球破壊王子」の異名を手にしたが、プロ入り直後は直球を「全然打てなかった」と振り返る。一筋縄でいかなかった弱点克服までの歩みをデイリースポーツの担当記者が明かした。

  ◇  ◇

 『直球破壊王子』の異名を手にするまでには、渡辺諒の陰の努力があった。

 「最初、真っすぐは全然打てなかったんですよ」。2013年ドラフト1位で東海大甲府高から日本ハムに入団。パ・リーグは本格派の投手が多く、その球威、スピードに圧倒されるばかりだった。

 入団から5年目までは、ファームで研さんを積む日々。プロの直球を打ち返すべく、打撃の基本から見直した。「とにかくマシンで、ひたすらセンター返しをしていました」。通常設定の直球を素直にはじき返してスイング軌道を修正。基本に立ち返ったことで、剛速球に対応できるようになった。

 「(元ソフトバンクの)千賀さんとか、本当に球が速くて。そういう投手と対戦できたことが活きている」。パで生き残るための“生存本能”が、渡辺諒を進化させた。この日は変化球をしばいての“虎1号”。背番号25の死角が、またひとつ減った。(デイリースポーツ阪神担当・北村孝紀)

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