阪神・岡田監督 場内騒然も村上交代「全然悩まんかった」 執念タクトで5339日ぶり巨人戦勝利
「巨人1-2阪神」(12日、東京ドーム)
勝利への執念が実を結んだ。七回まで完全投球の村上に代打を送ってまでこだわった1勝。今季3度目の延長戦を制した阪神・岡田彰布監督(65)が、自身にとって2008年8月29日以来、5339日ぶりの巨人戦勝利を手にした。
先発で送り出した村上が一人の走者も許さない快投を演じていたが、1-0の八回に巡ってきた打席で岡田監督は代打・原口を告げた。完全試合を期待していた左翼席の虎党からも驚嘆の声が上がるなど、球場は騒然となった。だが、指揮官は「いや、全然悩まんかった。それは悩まんかった」と答えた。頭にあったのは「みんなで完全試合」。後続に今季無失点の石井を送り出したが、想定外の本塁打を浴びて、試合は振り出しに戻った。
最後は近本の一打で勝利を得て、岩崎が勝利投手となったが、岡田監督は村上をたたえることを忘れなかった。「あそこまで投げたらね、ほんと合格点。チームの勝ち星は村上でええやろ。当然やん、そんなん当たり前やん」と手放しの賛辞を贈った。伊藤将の負傷で巡ってきたチャンスを生かした右腕。指揮官の信頼は一気に増した。「それは使わんとなあ。あんなピッチングして、使えへんことないわ」と次回の先発も約束した。
宿敵から久々の勝利にも「それはもう、全然気にしてない。昨日は(今季)最初のゲームで、ちょっと負けがあったんで、勝ちたかったんで、五分になって良かった」。あくまでも目の前の勝利を追い求め、目的を遂行した。
◆もし、完全試合だったら… 阪神歴代投手で完全試合達成者はいない。球団のノーヒットノーラン達成者は04年10月4日・広島戦(広島)で記録した井川慶まで9人。阪神投手陣の継投によるノーヒットノーランはなし。また、村上が完全試合でプロ初勝利を挙げていれば球団ならびにNPB史上初だった。一方、ノーヒットノーランによるプロ初勝利は、広島・外木場義郎が1965年10月2日の阪神戦(甲子園)、中日・近藤真一がプロ初登板だった87年8月9日・巨人戦(ナゴヤ)で成し遂げている。
◆先発投手の完全試合目前交代 ロッテの佐々木朗が2022年4月17日・日本ハム戦で8回無安打無失点に加えて無四球14奪三振で交代。この時点でスコア0-0でチームは延長十回に勝ち越されて敗戦。佐々木朗は同10日・オリックス戦で完全試合を達成しており2戦連続かと注目されていた。また、07年11月1日の日本シリーズ第5戦では中日・山井が日本ハムを相手に完全試合ペースで8回まで投げたが九回に岩瀬と交代。中日は継投による完全試合で日本一を飾った。
野球スコア速報
関連ニュース




