伝説助っ人バース氏 岡田阪神に幸アレ 監督は「勝ち方を知っている」
31日のセ・リーグ開幕戦、阪神-DeNA戦(京セラ)で始球式を務める元阪神のランディ・バース氏(69)が30日、日本一に輝いた1985年にチームメートだった岡田彰布監督(65)の復帰を喜び、エールを送った。佐藤輝の活躍を期待し、新外国人・ノイジーらに日本球界で活躍する秘訣(ひけつ)も披露。昨年、野球殿堂入りを果たしたレジェンドが、18年ぶりのリーグ優勝を願った。
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-阪神は岡田新監督の下、開幕を迎える。元チームメートとして指揮官への期待度は。
「岡田監督になって非常にうれしい。経験やリーダーシップもあって、我慢強い監督だと思っている。前回の優勝経験もあるから勝ち方を知っているし、野球の知識も深い。非常に期待している。岡田さんはムードメーカーというか陽気な方で、掛布さんの方が真面目な印象がある。岡田さんのいいところは常に平常心でいられること。あまり怒った岡田さんは見たことがない。日本一になった1985年もずっと調子がいいわけではなかったけど、スランプ中でも怒ったり、不満な顔をしたりする記憶はあまりなかった。どんな状況でも平常心でいられるのがいいと思う」
(続けて)
「アシスタントとしてミッキー(平田ヘッドコーチの愛称)、平田さんが入ったことも大きい。2人とも優勝経験があるし、知識を選手にうまく伝えることがチームとしては大きなプラスだと思う。2人だけでもすごくチームにとって大きな助けになると思う」
-野球殿堂入りした時、阪神に「リーダーが必要」と話した。改めて、その意図は。
「私がタイガースでプレーしていた時は掛布さん、岡田さん、真弓さん、私の4人が、中心としてチームを引っ張っていて、当時の目標はAクラスではなく優勝のみだった。私たちの宿敵は巨人だったから、巨人戦は緊迫していたね。特に若手選手は後楽園球場(当時の巨人本拠地)に行った時に王貞治選手、長嶋茂雄選手がプレーしているというだけで緊張感が増していた。その中で僕らリーダーが、どれだけ若手選手を落ち着かせるかということが大きなチャレンジだった」
(続けて)
「でも、後楽園に行って3タテをして『ほら、特別じゃなくて普通の試合だよ。普通の球場だよ』って伝えたら落ち着いてくれて。通訳を通していろんな若手に聞いたけど、一番印象に残っているのは緊張感があまりにも強かったということ。だからこそ、今の若いチームにもリーダーシップが必要だと思う」
-阪神戦は見ているのか。
「故郷のオクラホマ州はタイガース戦の中継がないので(笑い)。放送があっても時差があるし、生で見るのは非常に難しいんだ」
-では、自身と同じ左の大砲の佐藤輝は知らないか。
「いや、佐藤選手の話は聞いたことはあって、誕生日が一緒(3月13日)ということも知っている。長距離バッターで、『バースの再来』ぐらいの期待が寄せられていることは聞いたことがある。素晴らしい選手みたいだし、楽しみだね」
-阪神は今季も新外国人が加入。成功する秘訣(ひけつ)は。
「何よりも日本でプレーしたい気持ち、覚悟を持たないとダメ。遠征や打撃練習とかはアメリカと違う。食べ物とかいろんなものが新しくなるので、受け入れてトライするのが大事だね。それと、日本がWBCで優勝したことで、日本の野球のレベルが高いというのは分かったと思う。だけど、日本からメジャーへ行った選手だけじゃなくて、メジャーに行っていない選手もレベルが高いということを分かっておかないといけない」
-バース氏は阪神在籍時に将棋をした。
「岡田さんに1回勝って、『あなたとはもうやらない』と言われたけど(笑い)。(外国人選手は)何かを見つけて、なじんだらいいと思う」
-岡田監督の起用もカギを握る。
「岡田監督には長いスパンで見て、外国人選手にプレーさせてほしいと思っている。日本の投手、球種、攻め方に慣れさせることが大事。選手たちはアジャストして活躍すると思うけど、いきなり結果が出ることはないかもしれない。僕が阪神に入った時も出場選手登録枠の問題で昇格降格があって、それが外国人選手にとっては難しかったから」
◆ランディ・バース(Randy Bass)1954年3月13日生まれ、69歳。米国オクラホマ州出身。83年、阪神に入団。3年目の85年に54本塁打、134打点、打率.350で初の三冠王。チームを21年ぶりの優勝と初の日本一に導いた。翌86年も47本塁打、109打点、打率.389(プロ野球年間最高打率)で2年連続三冠王。「史上最強の助っ人」と評されたが、88年シーズン途中に阪神を退団。引退後はオクラホマ州議会上院議員を務めた。
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