阪神・才木 涙の復活星にあったナインの支え 「才木のために」合言葉に大山ら奮闘

 143試合のペナントレースにおいて、デイリースポーツ記者の心に残った試合、場面を振り返るオフ企画『一投一打』。阪神担当の北村孝紀記者は、兵庫・須磨翔風高の同級生・才木浩人投手(24)の復活星を挙げた。右肘痛に苦しんだ際の知られざるエピソードに加え、トミー・ジョン手術から長く苦しいリハビリを乗り越えた右腕をバックアップしたナインの心意気を記した。

  ◇  ◇

 24歳の右腕が流した涙が、虎の未来を明るく照らした。7月3日・中日戦(バンテリン)。2020年11月に受けた右肘トミー・ジョン手術を経て、才木が5回5安打無失点の好投で1159日ぶりの白星をつかんだ。

 試合後のヒーローインタビューでは「本当にすごくしんどかったんですけど…」と涙。言葉を紡ぎながら、壮絶な右肘痛との戦いが走馬灯のようによみがえったという。

 19年5月に右肘痛を発症。手術前は保存療法でリハビリと復帰を繰り返したが、完治の兆しは見えなかった。時には患部が真っ青に変色し、右腕がちぎれる夢を見るほど精神的に追い詰められたことも。術後のリハビリ中には「手術前が一番つらかった」と心境を明かしていた。

 復活までの道のりは球団トレーナを始め、たくさんの人に支えてもらった。恩返しの思いを胸にマウンドに上がった才木。同インタビューでは「お世話になった人たちの思いも一緒に持って来られたらと思って、思いっきり腕を振りました」と感謝を口にした。

 ナインも「才木のために」を合言葉に発奮した。二回無死一塁では、「才木は同期で入ったかわいい後輩。先に点を取ってあげたかった」と同期入団の大山が自身通算100号となるバックスクリーンへの2ランを放って先制。同学年の浜地は中継ぎで1回1安打無失点に抑え、「こういう試合に関わりたかった。一緒に投げられてうれしい」と笑顔。2016年ドラフトの“同期愛”があふれた一戦だった。

 その後は登板間隔を開けながら中10日で先発し、4勝をマーク。術後約2年半が経過する来季は中6日での登板が可能となる。シーズンフル回転での完走を一つの目標に定めた背番号35。虎のエースへの歩みは、2023年からスタートする。

 ◆才木 浩人(さいき・ひろと)1998年11月7日生まれ、24歳。兵庫県出身。189センチ、88キロ。右投げ右打ち。投手。須磨翔風から2016年度ドラフト3位で阪神入団。17年10月5日・中日戦でプロ初登板(救援)。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け同年12月に育成契約。22年5月に支配下再登録。

2023-11-05
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