「侍ジャパン強化試合、日本８－４巨人」（６日、東京ドーム）

　来年３月のＷＢＣへ向けた野球日本代表の強化試合「侍ジャパンシリーズ２０２２」の巨人戦が６日、東京ドームで行われ、８－４で勝利。「７番・右翼」で出場した佐藤輝明内野手（２３）は４打数１安打１打点。侍初安打と初打点を記録した。推しメンのももいろクローバーＺ・高城れにが日本ハム・宇佐見との結婚を発表した日に、“祝福打”とも言える適時打で自身の存在価値を高めた。

　推しメンの結婚に傷心するような姿は一切なく、塁上で佐藤輝は笑顔でＺポーズを繰り出した。痛烈な打球で代表初安打とした適時打。ＷＢＣでも指揮を執る栗山監督の目の前で、持ち味の打撃をアピールした。

　「正直、（初安打に）ホッとしましたね。打点もつきましたし、すごいうれしかった。ヒットを打って（Ｚポーズが）できて良かった」

　３点を追う七回無死二塁。ももいろクローバーＺの「あんた飛ばしすぎ！！」を登場曲に打席へ。１ボールから大江が内角高めに投じた直球を仕留めた。５日の強化試合・日本ハム戦から通算６打席目で初めて響かせた快音は、右前のタイムリーとなった。

　自慢の強肩もさく裂する。四回２死二塁。保科の右前打をチャージして捕球すると、本塁へ矢のようなワンバウンド送球を披露。二走・大城を楽々アウトとし「低い送球である程度、ライナーでしっかり投げることができた」と納得の表情だ。

　試合前に、ももいろクローバーＺの高城れにが日本ハム・宇佐見と結婚することを耳にした。「試合前だったのでビックリしました」と本音を隠さなかったが「すごくおめでとうございます。応援し続けます」と祝福したい気持ちの方が強い。

　試合直前の声出しでは先に行っていた牧からバトンタッチされ、円陣で声出し役も務めた。「僕たちにしか分からないこと。秘密ですよ」と内容は明かさなかったが、村上や源田がＺポーズをするなど和やかなムードに包まれた。

　強化試合２試合を終え、「これが（ＷＢＣで）本番になるとプレッシャーもすごくなるんだろうな」と独特の空気感を味わっていた。そんな中、牧や村上が一発を放つ姿を見て「もちろん打ちたい」と、本塁打への思いも強めている。

　９日からは札幌ドームに場所を移して、豪州と２試合を戦う。「一生懸命振って力負けしないように頑張りたい」。さらなるアピールでＷＢＣ代表入りの切符をつかむ。

　◆佐藤輝の代表歴　近大２年時の２０１８年７月にも大学日本代表メンバーに選出され、日米大学野球とハーレム国際に出場。日米大学野球では２試合で先発して７打数１安打１打点。ハーレム国際ではスタメン１試合と代打で２試合出場し７打数無安打だった。