【藤田平氏の眼】“何としてでも勝つ”姿勢感じられた阪神

 「セCSファーストS第3戦、DeNA2-3阪神」(10日、横浜スタジアム)

 勝ちに徹した阪神がファイナルSへの権利をもぎ取った。1点を守り切る継投と1点にこだわる攻め。特に西純はよく投げたし、打線はよくひっくり返した。

 六回の攻撃では“何としてでも勝つんだ”という姿勢は感じた。1点ビハインド、同点の無死二塁で、主軸の3、4番に連続して送りバントを指示した。

 第1戦では今永から決勝打を放ち、左腕投手を苦にしない近本になぜ?その近本が自らの失敗を取り返す二塁打を放って同点にし、勢いづいた後も大山にバント。これがこのチームの野球だったのかと疑問に思うところはあったが、捕邪飛に倒れた大山のミスを原口の勝ち越し打が救ったね。

 大事なのは、この試合で示した送りバントの意味を選手がしっかり理解しているか。ベンチはどこまで理解させているかということだ。こういう戦い方を次のヤクルトとのシリーズでも用いるなら、そこも徹底しないといけない。

 短期決戦だからといって、急に“よそ行きの野球”をやっても成功しないものだ。ただ、これまでにも勝ちにこだわる野球をやっていれば、もっと勝てたのかもしれない。そう思わせる試合だった。

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