【岡田彰布氏の眼】阪神はもっと楽に勝てた試合 佐藤輝は今オフ変化が必要

 「ヤクルト1-2阪神」(28日、神宮球場)

 阪神はCSに向けて負けられない試合で勝った。ただ、もっと楽に勝てる試合でもあったと思う。

 初回に幸先良く先制した。だが三、四回と先頭が出塁しても送りバントで得点圏に走者を進めて、追加点を取りにいかなかった。

 六回に同点とされた後の八回無死一塁は、近本が1、2球目に送りバントの構えをしたが、ともにボールとなった。すると、3球目にヒットエンドランを仕掛けてファウルになった。

 チームとして1点を取りにいっていたはずだ。なのに、カウントが良くなったからといって一、三塁にしようとしたのだろう。今季、何度も見た「あわよくば」という采配に映った。

 結果的に4球目で送りバントに戻し、二塁に進めたことで原口の決勝適時打が生まれた。送りバントの重要性を感じたし、やはり得点を取れるチャンスがある時は確実に得点圏に走者を進めて、取りにいかないといけない。こういうことの積み重ねが、今季26度の零敗にもつながっているのだろう。

 阪神はチーム打率こそ低いものの、最多安打を争う選手が2人もおり、チーム盗塁数もリーグで唯一100を超えている。得点するチャンスは作れているはずだ。さらにチーム防御率は2点台。なのに、ヤクルトに10・5ゲーム差をつけられている。投打がかみ合っていないことは、チームとして総合的な課題だろう。

 今年期待された佐藤輝は2年連続20本塁打を達成した。ただ他の選手にはない、あれだけ飛ばせる能力があるだけに物足りない。同じことを繰り返しており、今のままではこのまま終わってしまいかねない。今オフは変化が必要だろう。去年はコロナ禍で行われなかったが、今年は初めて秋季キャンプに取り組めるはずだ。来季は大卒3年目。一番大切なオフになるだろう。

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