阪神・岩貞 魂の11球 会心スライダーでガッツポーズ「ウズウズしていました」
「阪神5-0中日」(11日、甲子園球場)
渾身(こんしん)の11球で相手をねじ伏せた。1-0の六回2死一、三塁で阪神・岩貞祐太投手が西純を救援。フルカウントから最後は136キロスライダーで粘る高橋周のバットに空を切らせた。
ピンチでの出番にも「抑えたくてウズウズしていました」と前向きな気持ちでマウンドに向かった。スライダーが3球連続でボールになっても焦りはなかった。そこから直球でストライクを続け、ファウルで粘られても心は負けなかった。
最後は「最初からこれを投げとけよって自分でも思いました」という会心のスライダーで仕留め、ガッツポーズが飛びだした。打者1人との対戦だったが、最高の仕事で自分の役割を果たした。
今回の2連戦には今季限りでの現役引退を表明した中日・福留が帯同。阪神在籍時には「人が見ていないところで、ものすごく染みるような言葉を掛けてもらった」と感謝する。「孝介さん(福留)はひたすら走っていた。やっぱりランニングがあってこその技術」と教えられた。
大卒9年目の岩貞も5日で31歳になった。今季は自己最速154キロをマークし、この日で自己最多を更新する47試合目の登板、防御率は1・69の安定感を誇る。昨オフからのトレーニングの成果に「それしかない」と胸を張る。残り11試合も任せられた場面で懸命に左腕を振る。