【岡田彰布氏の眼】阪神・西純の勇気を感じた内角直球

 「阪神5-0中日」(11日、甲子園球場)

 阪神・西純が要所で堂々とした投球を見せた。1点リードの六回1死一、三塁。A・マルティネスにカウント2-2から内角低めへ直球を投げ切って見逃し三振に仕留めた。

 その直前、同2-1からの4球目は外角いっぱいにスライダーを決めて、見逃しでストライクを取っている。西純からすれば、4球目のスライダー以上の球を外角へ続けて投げるのは難しい状況だ。

 逆に打者のA・マルティネスは「1点差で本塁打がある内角には来ない」と思っていたはずだ。投げミスできない状況で勇気を持って、しっかり投げ込めたのは素晴らしい。

 今後の課題は長いイニングを投げられるようになることだろう。以前よりフォームはおとなしくなっているが、球威はあるし、コントロールが安定している。投手にとって一番大切な投げミスをしない。二回2死の土田の初球や、三回1死の岡林の初球に投げたカーブもカウント球として使える。技術はあるだけに、今後は長いイニングを投げる体力をつけていってもらいたい。

2023-11-05
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