阪神・糸井“進退伺”近日中に会談へ 17年虎にFA移籍、主軸担うも近年は出場機会減少
阪神の糸井嘉男外野手(41)が、来季の進退について球団側に会談を申し入れたことが4日、分かった。近日中に話し合いの場が設けられる見通し。日本ハムに投手としてドラフト1位で入団しながら、野手に転向し強肩、俊足、強打で一時代を築いてきた超人。その決断に注目が集まることとなりそうだ。
“超人”の来季以降の去就が重大局面を迎えた。関係者によると4日に、糸井本人が球団に話し合いを申し込んだという。時期的にみても、来季へ向けた話し合い、いわば“進退伺”を球団側に提出した形だ。
糸井はこの日、鳴尾浜で行われたウエスタン・広島戦を欠場。試合前練習ではグラウンドで体を動かしたものの、全体のフリー打撃には参加せず、球場をあとにしていた。
平田2軍監督は「昨日(3日)、4打席立ったし守備も出てたし、きょうはもう端から(出場は)なしやった」と説明したが、その後に球団関係者と接触したとみられる。
41歳を迎えた今季の糸井は、春季キャンプから悲壮感を持って精力的に動いた。近年、抱えていた脚部の不安もなくなり、若手に交じって全メニューを消化。矢野監督は「全員が嘉男に尊敬の気持ちを持っていた」と、キャンプの野手MVPに選出したほどだった。
オープン戦でも打率・346をマーク。開幕のヤクルト戦では「6番・左翼」でスタメン出場し、2ランを含む3安打、4打点と健在をアピールした。
しかし、6月中旬まではスタメン出場の機会を得るも、徐々に打率が低下。ベンチスタートで代打に控える試合が増えていく。7月18日には矢野監督と話し合いの末、打席機会を増やすために2軍へ。球宴後のリーグ再開時には1軍へ戻った。
8月10日に新型コロナウイルス陽性判定で離脱。復帰後は「1番・DH」で出場した1日のウエスタン・ソフトバンク戦で先頭打者本塁打を放つなど、調子を上げていた。
2004年に日本ハムに投手として入団し、06年に野手へ転向。その後は走攻守すべてで超人的な身体能力の高さを見せつけ、09年から14年までNPB史上初の6年連続「打率3割」「20盗塁」「ゴールデングラブ賞」も達成した。
来季は42歳を迎えるシーズン。日本ハム、オリックス、阪神と3球団を渡り歩き、近年は故障とも戦ってきた。プロ生活20年目の節目となる2023年シーズンはプレーを続けるのか、それとも…。決断の時が迫っている。
◆糸井 嘉男(いとい・よしお)1981年7月31日生まれ、41歳。京都府出身。188センチ、99キロ。右投げ左打ち。外野手。宮津から近大を経て、2003年度ドラフト自由枠で投手として日本ハム入団。06年に野手転向。07年3月27日・オリックス戦(京セラドーム)でプロ初出場初先発(8番・左翼)。13年オリックス移籍。17年シーズンからFA移籍で阪神在籍。首位打者・盗塁王各1回、最高出塁率3回、ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞7回。13年WBC日本代表。
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