阪神・西純 連敗止めた!ピンチから塩見&山田ねじ伏せ4勝目 亡き父の存在大きな原動力に

 5回、塩見を見逃し三振に仕留めてグラブをたたく西純(撮影・堀内翔)
 小林からウイニングボールを手渡される西純(撮影・佐々木彰尚)
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 「ヤクルト2-10阪神」(18日、神宮球場)

 一発出れば逆転されるピンチで、阪神・西純がギアを一段上げた。五回に2点差に迫られ、なお無死一、三塁から自慢の快速球を投げ込む。気迫の投球を演じ、右手でガッツポーズ。5回6安打2失点。大型連敗を止めた4勝目だ。

 「(連敗中でも)自分が元気を出して、明るい雰囲気を持ち込めたらと思っていた。とにかく楽しんでいくしかないと。楽しんで投げられたと思います」

 2カ月ぶりの1軍マウンド。初回は先頭・塩見に投じた直球が甘く入ったが、遊撃・中野がダイビングキャッチ。このアウトから流れに乗った右腕は、四回までスコアボードに「0」を並べていく。

 ただ、4点リードの五回に味方の拙守から崩れかけた。先頭・サンタナは完全に打ち取った当たりだったが、飛球へ前進した右翼・佐藤輝が落下点に入れず後逸(記録は二塁打)。さらに無死一、三塁となり、オスナには中堅フェンス直撃の2点二塁打を献上する。

 続く長岡にも右前打を許したが、動じる様子はない。無死一、三塁で代打・宮本を遊飛。塩見は内角へズバッと152キロ直球を投げ込んで見逃し三振。最後は山田にも152キロ直球を投じて右飛に仕留め、「キーになる選手は、より一層の気合を入れて投げました」と安ど感がにじんだ。

 17年10月11日に脳幹出血により、45歳でこの世を去った父・雅和さんは、今月15日が誕生日だった。広島に帰省時は、墓前で手を合わせる。父の存在は、今もマウンドで戦う大きな原動力だ。

 「お父さんには、1日でも長くプロの世界で投げているところを見てもらいたい」

 5月18日にプロ初完投&初本塁打を記録した思い出深い神宮で、今季のヤクルト戦は自身2連勝。最愛の父の誕生日から3日後。空の向こうへ、勝利というプレゼントを届けた。

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