「阪神５－４西武」（１日、甲子園球場）

　ファンへの感謝をバットに乗せた。１－０で迎えた三回１死二、三塁の好機で阪神・佐藤輝明内野手（２３）が執念の一打だ。与座の１２８キロを振り抜いた打球はふらふらと舞い上がり左前へポトリ。「捉えた当たりではなかったですが、いいところに飛んでくれました」。チームとして甲子園で３２イニングぶりタイムリー。虎の千両役者が“御礼打”で聖地をドッと沸かせた。

　「マイナビオールスターゲーム２０２２」のファン投票中間発表では、セ・リーグ最多得票数の４万１１７１票を集め、外野手部門のトップに立った。

　「たくさん投票いただいてとても光栄ですし、驚いています」

　昨季は史上初の新人リーグ最多得票を獲得して初出場。新人史上５人目となる本塁打を記録するなど、球宴を満喫した。他球団の一流プレーヤーとも積極的に交流。かけがえのない時間で得た財産は計り知れない。

　「メジャーに行かれた鈴木誠也さんとか、いろいろな方とお話しさせてもらってすごく勉強になりました。そういう機会はなかなかないので選ばれたいですし、選んでいただけるようにこれからもっと頑張ります」

　球団では新人年から２年連続ファン選出された選手は田淵幸一、岡田彰布、近本の３人だけ。ファンの期待に応える成績を残して、今年も夢舞台に立つ。

　◆新人シーズンからオールスター出場連続年数　昨季は佐藤輝が史上初の新人セ・リーグ最多得票の４３万５６０５票を集め、外野手部門で初選出。ファン選出で新人年から２シーズン連続で球宴出場した阪神選手は田淵幸一（６９、７０年）、岡田彰布（８０、８１年）と１９、２１年の近本光司（２０年は中止）。ファン選出に限らなければ村山実と江夏豊の９年連続が最長。